ピクシーズ「ビニース・ジ・エリー」 ダークでポップなピクシーの世界へ

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、ピクシーズの新譜「ビニース・ジ・エリー」をとり上げます。

■ピクシーズ

ピクシーズ
80年代後半から90代年初めまでの活動期間で、圧倒的なインパクトを音楽シーンに与えました。
米オルタナティブ・ロックを牽引し、ニルヴァーナらグランジ・ロックに大きな影響を与えたバンドです。

1987年に、1stミニアルバム「カム・オン・ピルグリム」をリリース。
ここに収録されたノイジーでポップな楽曲群は、ロック・シーンに鮮烈な印象を与えました。
翌年(1988年)には、1stフルアルバム「サーファ・ローザ」をリリース。
これがUKインディ2位のヒットとなり、その名は世界に知られるようになりました。


サーファ・ローザ&カム・オン・ピルグリム

バンドは、その後も「ドリトル」(1989年)、「ボサノバ」(1990年)など、ヒット・アルバムを量産します。
しかし、次第にメンバー間に軋轢が生まれ、4thアルバム「トゥロンプ・ル・モンド」(1991年)を最後に、バンドは解散となりました。


ボサノバ

ピクシーズは不思議なバンドで、解散してもなぜか根強い人気を誇りました。
それは、彼らのフォロワーであるカート・コバーン(ニルバーナ)やトム・ヨーク(レディヘッド)らが、その音楽を支持したから。

そうした支持の声が届いたのでしょうか。バンドは2004年に再結成してライブ活動を再開。
2014年には、なんと23年ぶりとなるアルバム「インディ・シンディ」をリリースして、復活をとげました。


インディ・シンディ

■ビニース・ジ・エリー

そんなピクシーズから、届いた新譜が「ビニース・ジ・エリー」(原題:Beneath The Eyrie)です。
このアルバムタイトルは、彼らがレコーディングを行ったスタジオの傍らの木に鷹の巣(エリー)があったことに由来するそう。


ビニース・ジ・エリー

そうした直感的で誌的なサウンドは、デビューから30数余年すぎた今も健在。
年齢を経てもなお、ノイジーな轟音ギターでポップなメロディをかき鳴らしています。

轟音ギター&ポップなロックというと、彼らを慕うニルヴァーナなんかが代表格。
ただ、ピクシーズの場合は、どうしてもクセがあるんですよね…。ちょっとひねた感じ。
それはブラック・フランシス(ボーカル&ギター)の歌い方であったり、独特な歌詞が影響しているのかもしれません。

そんな、ダークなニルバーナとでも言うような、独特なピクシーズのサウンド。
最新作「ビニース・ジ・エリー」でも、存分に楽しむことができます。

■個人的なおススメ

それでは、ピクシーズの新作「ビニース・ジ・エリー」から、個人的なおススメです。

まずは2曲め「On Graveyard Hill」
これぞピクシーズのサウンド。ノイジーなギターがのっけからかき鳴らされます。
全体を貫くおどろおどろしい雰囲気。でも、サビはキャッチーなメロディ。この対極さが彼らの持ち味なのです。

続いて3曲め「Catfish Kate」
静かな歌い出しから、これまたキャッチーなサビへ。
女性メンバー・バズのコーラスがポップさを強調します。でも一筋縄でいかないのがピクシーズ。
うねるようなギターの音に、クセのあるブラックのボーカルと歌詞。でも、これがだんだん病みつきになっていくんだよなぁ…。

そして7曲め「Long Rider」
ダークでポップ、不気味で不思議なロック。これは、ピクシーズしかつくれないだろう。
ボーカルもギターも唯一無二の世界観を築いています。この曲にハマったら、もうあなたはピクシーズから離れられません…。

いやぁ、ピクシーズすごいな…。魂の持ってかれ度合いが半端ありません。
まるで、ダークなピクシー(妖精)の甘い誘惑のよう…。聴けば聴くほど、ピクシーズの世界にハマっていきます。
ヤバいサウンド健在!ピクシーズの新譜「ビニース・ジ・エリー」でした。

ありがとう、ピクシーズ! ありがとう、ビニース・ジ・エリー!

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