こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、"デラミトリ的"なロック満載!19年ぶり新譜「フェイタル・ミステイクス」です。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。
■デラミトリ
スコットランドのロック・バンド、デラミトリ(Del Amitri)。
なんと19年ぶりの新譜が届きました。それが通算7枚目となるアルバム「フェイタル・ミステイクス」です。
19年ぶりってすごいな…。そもそもまだ演ってたとはうれしい。
彼らの音をはじめて聴いたのは、1995年にスマッシュヒットしたシングル「Roll to Me」でした。
ポップでノリが良くて、艶やかなボーカルが魅力のロック・ナンバー。
音はアメリカンだし、名前も南欧風なので、彼らがスコティッシュと聞いてびっくりしたことを覚えています。
そうなんです。デラミトリは、1980年にグラスゴーで結成されたスコットランドのロック・バンドです。
中心人物は、ジャスティン・カリーとイアン・ハーヴィーの2人。インディー・シーンで注目を集めると、1985年にアルバム「Del Amitri」でメジャーデビューを果たします。
すると、続く1989年の2ndアルバム「Waking Hours」は全英6位にチャートイン。
さらに、「Change Everything」(1992年)が全英2位、「Twisted」(1995年)は全英3位と、一躍スターダムにのし上がりました。
ただ、2002年にリリースした6thアルバム「Can You Do Me Good?」でコケると、バンドは解散。
その後はバンドをフォローしていませんでした…。
■フェイタル・ミステイクス
ということで、まったく予期せず届いたデラミトリの新譜。
それが今日紹介する、19年ぶりとなる7thアルバム「フェイタル・ミステイクス」(2021年)です。
調べてみたら、バンドは2013年に再結成していました。
今回のアルバムは、カリーとハーヴィーの2人が2018年のツアーに向けて曲を書き出したのが始まり。
出来上がった曲が「まさにデラミトリ的である」ことに気づいた2人が、急遽メンバーを招集してアルバムを完成させました。
その言葉通り、このアルバムは「デラミトリ的」なロックが満載です。
なにが「デラミトリ的」かというと、まずはその持ち味であるストレートなロック・ナンバー。
「Roll to Me」にも通じる、骨太のギター・サウンドとポップなメロディを堪能できます。
さらに、「デラミトリ的」な魅力の一つ、カリーの艶やかなボーカルも健在です。
むしろ、そのボーカルは年季を重ねて、さらに「艶」を増した感じ。スローなバラードナンバーがキラー・チューンになっています。
名付けるなら、「ロック艶歌(えんか)」。
バーで歌わせたら、惚れてしまう女性が続出するんじゃないかしら。これも「デラミトリ的」なのでしょうか…。
■個人的なおススメ
そんなデラミトリの19年ぶりのアルバム「フェイタル・ミステイクス」から、個人的なおススメです。
まずは2曲め、「All Hail Blind Love」。
このギター、このメロディ、この声…。まさに「ロック艶歌(えんか)」。
特にカリーのボーカルは反則級のエロさ…。きっとモテるんだろうな…。
MVはリモートライブの模様を収録しています。おじさん達、元気です!
続いて6曲め、「Close Your Eyes & Think Of England」。
長年の思いが宿ったかのような、しっとりとしたバラード・ナンバー。
”Close your eyes and think of England"(目を閉じて、イングランドのことを思い浮かべてごらん)。
故郷を歌い込むのは演歌の定番…。郷愁あふれる「ロック艶歌(えんか)」です。
そして1曲め、「You Can’t Go Back」。
バラードだけじゃありません。こちらも「デラミトリ的」な、ポップでノリの良いロック・ナンバーです。
美しいギターの旋律に、若々しいボーカル。とても19年ぶりとは思えない瑞々しい楽曲です。
ちなみにMVは「Roll to Me」のMVのパロディになってます。ユーモア・センスも健在ですね。
いやぁ、デラミトリ、いいなぁ…。
デラミトリ的な魅力は、19年経っても損なわれることはありません。
むしろ、年季を重ねて艶が増しました。艶歌成分も増したデラミトリ、おススメです。
ありがとう、デラミトリ! ありがとう、フェイタル・ミステイクス!