試練を乗り越え再始動!カサビアン「ジ・アルケミスツ・ユーフォリア」

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、試練を乗り越え再始動!カサビアン「ジ・アルケミスツ・ユーフォリア」です。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。

■カサビアン

今日とり上げるのは、英レスター出身のロックバンド「カサビアン」(Kasabian)です。
先に行われたサマーソニック2022で来日。圧巻のステージを披露しました。

ただ、このライブステージを観る前は不安だったんですよね…。
というのも、このときカサビアンは、カリスマ的な人気を誇っていたボーカリスト、トム・ミーガン脱退というバンド史上最大の試練を迎えていたから。

2020年、トム・ミーガンが妻への暴行で有罪判決を受けると、バンドはトムの脱退を発表…実質は解雇でした。
バンドは存廃の危機に陥りました。メンバーのサージ・ピッツォーノは、大変な時期であったことをインタビューで明かしています。

さまざまな葛藤を乗り越えて、バンドは残ったメンバーでカサビアンを継続することを決断します。
これまでギターやバックボーカル、ソングライティングを手がけてきたサージをフロントマンに起用、新体制として再始動しました。

バンドは早速アルバム制作に入りますが、何しろカリスマ・リード・シンガー不在…彼らにとっては2度目のデビューアルバムのようなものでした。
ただ、そんな緊急事態だったから逆に、そのレコーディングはこれまでになく一体感あるものだったそうです。

そして届けられたのが、5年ぶりとなるニューアルバム「ジ・アルケミスツ・ユーフォリア」(The Alchemist's Euphoria)。
そのリリース直後に行われたのが、サマーソニック2022/ソニックマニアでの圧巻のライブでした。


ジ・アルケミスツ・ユーフォリア

結論、ライブ前の不安は杞憂でした。カサビアンはカサビアンを諦めていませんでした。むしろ、さらなる進化を遂げていました。
ライブでも演奏された「ジ・アルケミスツ・ユーフォリア」の楽曲群、そして新生カサビアンのステージ。得も言われぬ「圧」を感じたのは、そこに「俺らがカサビアンだ」という覚悟があったからのように思います。

■個人的なおススメ

今日は、そんな新生カサビアンのアルバム「ジ・アルケミスツ・ユーフォリア」から、個人的なおススメを紹介しましょう。

まずは1曲め、「スクリプチャー」(SCRIPTVRE)。
新生カサビアンここにあり…。これまでのダークな世界観を受け継ぎつつ、ヒップホップやラップを組み込んだヘヴィーなナンバー。
これはライブ受け間違いなし。実際にソニックマニアでも演奏して、会場を一体にしていました。
アルバムのリードシングルとしてリリース、全英チャートでもスマッシュヒットしています。

続いて5曲め、「アリゲーター」(ALYGATYR)。
重厚なダンスビートと、身体の芯まで揺らすグルーヴ。もはや一体化したようなエレクトロニック・サウンドとサージのボーカル。
これはぶっ飛びます…。カサビアンにしか鳴らせない音、世界観がここにあります。これまたライブ受け間違いない曲です。

さらに7曲め、「ザ・ウォール」(THE WALL)。
一転して、天を駆けるような美しいバラード・ナンバー。エレクトリカルなビートのなかに響くピアノの音が美しい…。
こんな曲もやれるんだな…。サージのボーカルもやさしく響きます。
MVは、UEFA Women’s Euro 2022決勝で試合前に流れた同楽曲の特別バージョン。決勝では、地元イングランドがドイツを破り優勝しました。


いやぁ、すごいな、カサビアン…。たしかにトム脱退は痛いけど、それを乗り越える分厚く多彩なサウンドで再始動を果たしました。
カサビアンの新たなステージはここから始まります。今日の夢中は、カサビアンのアルバム「ジ・アルケミスツ・ユーフォリア」でした。

ありがとう、カサビアン! ありがとう、「ジ・アルケミスツ・ユーフォリア」!

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