「ラスト・クリスマス」などのヒット曲で有名な、元ワムのジョージ・マイケルが亡くなりました。
53歳。亡くなったのは、クリスマスの夜でした。
■ラスト・クリスマス/エヴリシング・シー・ウォンツ
クリスマス・シーズンに必ず流れる「ラスト・クリスマス」。
日本人的には、その意味は「最後のクリスマス」のように思いますが、「去年のクリスマス」が正解ですね。
素敵なメロディにのせて、去年のクリスマスの恨みつらみ(?)が歌われています。
さて、ジョージ・マイケルですが、はじめて彼を聴いたのは、
彼の地では、この「ラスト・クリスマス」と両A面でリリースされた「エヴリシング・シー・ウォンツ」でした。
FMラジオから流れてきたこの曲を聴いて、ブルー・アイド・ソウル系の無茶うまなシンガーだと衝撃を受けた記憶があります。
特に、最後の「サムバディ・テル・ミー」のくだりは聴かせどころです。
ファルセット・ボイスを使ってのシャウトはソウルフルで、いま聴いても心震えるものがあります。
ここのサビの部分の歌詞がすごいんです。和訳すると次の通り。
誰か教えてよ。
どうして僕は君のために、こんなに一生懸命はたらくのだろう。
それはお金のため、君にあげるお金のためなんだ。
※ふゆき訳
バブル期の「ミツグくん」みたい。こんな歌詞だから、そりゃ魂がこもるよね。
ジョージ・マイケルの鬼気迫るボーカルは、実体験に基づくものか…。
■メイク・イット・ビッグ
この歌が収録されているのが、1984年リリースのセカンドアルバム「メイク・イット・ビッグ」。
このアルバムでワムの人気が決定的になったと言っていいでしょう。
アルバムは米英で1位を獲得しました。
さらに、収録されている4曲のシングルが米英で1位を記録するなど、キャリアの絶頂期を迎えていた頃の作品です。
ちなみに4曲とは、前述の「エヴリシング・シー・ウォンツ」のほか、「ウェイク・ミー・アップ・ビフォー・ユー・ゴー・ゴー」、「フリーダム」に「ケアレス・ウイスパー」。
いずれも強力なヒット・チューンです。
当時流行りのユーロ・ビートの要素も盛り込まれていて、青春時代にヘビロテしてました。
■フェイス
「メイク・イット・ビッグ」がベストアルバムとすれば、個人的なベストソングは、やっぱりソロの「フェイス」です。
前奏の、ジャッ!ジャッ!ジャッ!って刻まれるアコースティック・ギターの生音。
一度聞いたら忘れられない。イントロ・クイズがあったら間違えない。
ユーロ・ビートとは完全に縁を切って、ソロ・シンガーとして力強い一歩を踏み出した曲だと思います。
今なお色褪せない、そのメロデイと歌声。そしてセクシーで格好いいミュージック・ビデオ。
彼の早すぎる死を悼まざるをえません。
ありがとう、ジョージ・マイケル!天国で、素敵な歌を、天使たちに届けてください。