こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
1日1頁、その日に起きた出来事やミュージシャンの誕生日などが記載されているタワレコ手帳(現在は製造中止…)。
4月28日の頁には、こんな出来事が記されていました。
【出来事】ヴァーヴが解散を発表(1999)
1990年代に活躍した英ロックバンド「ザ・ヴァーヴ」(The Verve)。
1999年4月28日は、バンドが解散した日でした。
今日の夢中は、ザ・ヴァーヴの人気を決定づけた大ヒットアルバム「アーバン・ヒムス」(Urban Hymns)を取り上げます。
■ザ・ヴァーヴ
ザ・ヴァーヴ(The Verve)。
1990年代に絶大な人気を誇った、イギリスのロックバンドです。
1989年、リチャード・アシュクロフトらメンバーが出会いバンドが結成されます。
1992年にシングル「All in the Mind」でデビュー。翌1993年に、ジョン・レッキーをプロデューサーに迎えて、1stアルバム「ア・ストーム・イン・ヘヴン」(A Storm in Heaven)をリリースします。
1995年には、よりロック色を強めた2ndアルバム「ア・ノーザン・ソウル」(A Northern Soul)をリリース。
アルバム2作はいずれも音楽評論家から高い評価を受けますが、セールスは振るいませんでした…。
しかも、2ndアルバム制作中にメンバー間の確執が表面化。バンドは1度目の解散をします。
ちなみに、バンドはオアシスのギャラガー兄弟とも交流があり、2ndアルバム収録曲「History」にリアム・ギャラガーが手拍子で参加しているほか、オアシスが自身のアルバム「モーニング・グローリー」に活動休止中のリチャードに向けた楽曲「キャスト・ノー・シャドウ」(Cast No Shadow)を収録したりしています。
■アーバン・ヒムス
そんなザ・ヴァーヴが大ブレイクを果たしたのが、3rdアルバム「アーバン・ヒムス」(Urban Hymns)です。
活動を再開したバンドが1997年にリリースしたこのアルバムが、ザ・ヴァーヴの名を音楽シーンに刻むことになりました。
本国イギリスでは、なんと12週連続でアルバムチャート1位に君臨。1998年のブリット・アワードで年間ベストアルバムを受賞します。
米欧豪でもチャートイン。全世界で1000万枚以上を超す大ヒットを叩き出しました。
このアルバムでは、ストリングスを大胆に取り入れたメロディ重視のサウンドで、幅広いファン層を獲得。
シングル「ビター・スウィート・シンフォニー」(Bitter Sweet Symphony)や「ドラッグス・ドント・ワーク」(The Drugs Don't Work)も大ヒットとなりました。
当時、バンドはオアシスのライブの前座を務めますが、観客の反応はオアシスを凌ぐほどでした。
それほどまでに絶大な人気を誇ったザ・ヴァーヴですが、この絶頂真っ只中に再びメンバー間の不和が発生します。
そして1999年4月28日、再度解散を宣言。その活動に幕を下ろしました…。
■個人的なおススメ
それでは、そんなザ・ヴァーヴの名盤「アーバン・ヒムス」から、個人的なおススメです。
まずは1曲め、「ビター・スウィート・シンフォニー」(Bitter Sweet Symphony)。
印象的なストリングスのイントロから、重く響くドラムとベース、そして甘くも力強いリチャードのボーカルへ…。
バンドの人気を決定づけた楽曲にして、90年代を代表する名曲です。何度聴いてもその魅力は色褪せません。
リチャードがストリートをただただ歩くMVも話題になりました。カッコいいんだよな、リチャード。俳優みたいです。
続いて4曲め、「ドラッグス・ドント・ワーク」(The Drugs Don't Work)。
「ビター・スウィート・シンフォニー」に続いてシングルカットされ大ヒット、全英1位を獲得したナンバーです。
"The Drugs Don’t Work"は「もう薬は効かない」という意味。その後に「薬はあなたを苦しめるだけ…でもきっと僕はあなたとまた会えるさ(立ち直せるさ)」と続きます。※ふゆき訳
病気に冒されて末期症状にある最愛の人へのラブソングとも、彼自身が陥ったドラッグ依存のことを歌ったとも言われています。
そして9曲め、「ラッキー・マン」(Lucky Man)。
アコースティック・ギターで始まるバラード・ナンバー。そこに重なるストリングスとエレキギターの音色がどこまでも美しい…。
曲の雰囲気が、オアシスがリチャードに捧げた「キャスト・ノー・シャドウ」と似ています。こりゃオアシスが気に入るわけだわ…。
いいですねぇ…。当時オアシスの人気をも凌いだと言われるバンドの名曲の数々。
そんなザ・ヴァーヴですが、2007年にメンバーが集まり再結成を果たしますが、1枚のアルバムをリリースした後に、2009年に3度目の解散をしています…。
ただ最近になって、フロントマンのリチャードがザ・ヴァーヴ時代の楽曲をカバーしたアルバムをリリース。
ファンとしては、また活動再開も…なんて期待が膨らむところです。
今日の夢中は、90年代を代表するUKロック名盤、ザ・ヴァーヴ「アーバン・ヒムス」でした。
ありがとう、ザ・ヴァーヴ! ありがとう、アーバン・ヒムス!