こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の「夢中」は、6/21に誕生日を迎えたレイ・デイヴィスのアルバム「アメリカーナ」をとり上げます。
■6月21日
いつもお世話になっているタワレコ手帳。
1日1頁、手帳として使えるだけでなく、その日に起きた出来事が記載されています。
6月21日のページを開くと、英国の大物ミュージシャンの名前がありました。
【誕生日】レイ・デイヴィス(キンクス)(1944)
レイ・デイヴィスは、英国のビッグバンド、キンクスの中心人物。「ユー・リアリー・ガット・ミー」なんかが有名ですね。
残念ながらバンドは1996年に解散となりましたが、レイはソロで音楽活動を続けます。
そして昨年(2017年)、約10年ぶりとなるソロ・アルバム「アメリカーナ」をリリースしました。
今日は、レイ・デイヴィスの誕生日を祝して、彼のソロ・アルバム「アメリカーナ」をとり上げます。
■レイ・デイヴィス
レイ・デイヴィス。本名、レイモンド・ダグラス・デイヴィス。
英ロンドンに生まれた彼は、弟のデイヴとともに、キンクスを結成します(1964年)。
代表曲の一つが、サードシングル「ユー・リアリー・ガット・ミー」。
エッジの効いたギターのリフが印象的な同曲の世界的なヒットにより、バンドは一気にスターダムに上がります。
その活躍は、ビートルズやローリング・ストーンズらとともに米国を席巻したブリティッシュ・インヴェイジョンの一角に数えられるほど。
当時のロック界に多くの影響を与えました。
バンドはその後、いかにも英国的なコンセプト・アルバムやロック・オペラに挑戦していきます。
アルバム「ヴィレッジ・グリーン」なんかは、レイの才能が爆発した名盤。
詩的というか、内省的というか、一ひねりあるというか…。
レイが最も英国的なミュージシャンと言われる由縁ですね。
ちなみに、バンドはその後、デイヴィス兄弟の不仲が極まって、1996年に解散。レイの音楽活動の場は、ソロに移りました。
■アメリカーナ
そんな、最も英国的なミュージシャンのレイ・デイヴィスが、10年ぶりにリリースしたソロ・アルバムのタイトルが「アメリカーナ」。
なんとも違和感のあるタイトルですが、本作は2013年に出版した同名の自叙伝と、そのプロモーションで米国を回った時の経験から着想を得たものだとか。
ということは、英国人ロッカーから見たアメリカということなのでしょうか。
そして、アルバムから聴こえる音は、アメリカの悠久の大地が目の前に広がるよう。
これは、バックを米バンド、ジェイホークスが務めているせいもあるでしょう。
彼らのカントリーテイストな演奏が、レイのつくる詩的な曲と相まって、見事に「アメリカーナ」の世界をつくりあげました。
■個人的なおススメ
それでは、そんなレイ・デイヴィスの10年ぶりのソロ・アルバム「アメリカーナ」から、個人的なおススメを紹介しましょう。
まずは1曲め、アルバムタイトルにもなっている「アメリカーナ」。
アルバムの幕開けを告げる、やさしくも懐の深いカントリー調のロック・ナンバー。
コーラスも見事です。ジェイホークスとの相性もバッチリですね。
そして2曲め、「ザ・ディール」。
レイの詩的センスを堪能できるナンバー。物語を語るかのように歌を歌います。
おそらく米国を回ったときの経験を歌にしてるんでしょう。ユーモラスに米英の対比を曲に乗せています。
続いて14曲め「ザ・インヴェイダーズ」。
これはもろカントリーじゃないかって曲。テンポもアコーディオン(?)の音も心地よい。
ただ詩は、やっぱり一ひねりありそう。自分をインベーダーって、これも米国を回ったときの経験なのか、60年代のブリティッシュ・インヴェイジョンを暗喩しているのか…。
いやぁ、レイ・デイヴィス健在!それどころか、新たな武器を手に入れたみたい。
本日(6/21)誕生日を迎えて、御年74歳。まだまだやれそうですね。
ちなみに、この「アメリカーナ」の続編となる新作が7月にリリースされることが発表されました。こちらも楽しみです。
ありがとう、レイ・デイヴィス! 誕生日おめでとう、レイ!