こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、ラッシュ(Lush)「ガラ」!90sシューゲイザーの目眩く音の世界へ…です。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。
■ラッシュ(Lush)
今日の夢中図書館「音楽館」は、再び目眩く(めくるめく)シューゲイザーの世界へ…。
2023年4月、90年代に一世を風靡したバンド「ライド」(RIDE)が4年ぶりに来日。1stと2ndアルバムを再現する圧巻のライブを披露しました。
そのノイジーで歪んだギターサウンドと甘美なメロディとボーカルは、「シューゲイザー」という音楽ジャンルで呼ばれ、当時のUKロック・シーンで大きな盛り上がりを見せました。
「シューゲイザー」を代表するバンドとして、マイ・ブラディ・ヴァレンタインやライド、スロウダイブなどが挙げられます。
初期のジーザス・アンド・メリー・チェインが、まさに轟音ギターと甘美なメロディで音楽シーンに強烈なインパクトを刻みました。後継のバンドがこれに刺激を受けたのは間違いありません。
そんなシューゲイザーのなかから、今日は「ラッシュ」(Lush)を取り上げます。
ライドと同時期に活躍したバンドで、最盛期にはライドと共にアメリカ・ツアーも行っています。
1987年に英ロンドンで結成されたバンドで、ボーカルを務めるミキ・ベレーニは日本人とハンガリー人のハーフです。
1989年に4ADと契約して、ミニアルバム「Scar」をリリース。翌1990年には、EP「Mad Love」、「Sweetness and Light」をリリースします。
これらの初期作品が、当時勃興していたシューゲイザー・ブームと相まって、一躍注目を集める存在に…。
勢いそのまま、1992年に1stアルバム「スプーキー」(Spooky)をリリースすると、全英7位となるヒットとなりました。
その後も、アルバムやEPなどをリリースしていきますが、次第にシューゲイザー色が薄れていきます。
バンドは1996年にブリットポップ風の「ラブライフ」(Lovelife)をリリースすると、その翌年に解散しました。
■個人的なおススメ
今日は、ラッシュの初期の楽曲を聴いて、90年代UKロック・シーンにタイムスリップしましょう。
とり上げるのは、ミニアルバム「Scar」とEP2作品(「Mad Love」「Sweetness and Light」)をコンパイルしたアルバム「ガラ」(GALA)です。
別名「ドリームポップ」と呼ばれる「シューゲイザー」の魅力が良く分かる作品です。
では、ラッシュ「ガラ」から夢の世界へ…。90年代UKロックに生まれた美しい楽曲を聴きましょう。個人的なおススメはこちら。
まずは1曲め、「Sweetness and Light」。
これぞシューゲイザー/ドリームポップ…。美しいギターの音色と浮遊感あふれるボーカルで、夢の世界にひとっ飛び。
ミキの囁くようなボーカルが何とも心地よい。実は彼女、本来のボーカルが脱退したために急遽代わりにボーカルを務めることになったリリーフ・シンガー。逆にそれが良かったのかも…。
続いて4曲め、「De-Luxe」。
大地から湧き上がってくるようなギターの音色…。突如激しくドラムが叩かれると、ミキのボーカルと重なり合います。
ライドにも相通じる幾重に連なるギター・サウンドと甘美なメロディ&ボーカル。聴くほどにハマっていくサウンドです。
そして10曲め、「Scarlet」。
ミキの浮遊感あふれる歌声が魅力の楽曲。ベースにあるのはポップなメロディです。
でも、単なるポップソングで終わらないのは、さすがはシューゲイザー。歪んだギターサウンドが夢の世界へ誘います。これまた、聴くほどにハマっていく楽曲です。
いやぁ、いいですね、シューゲイザー。そしてラッシュ(Lush)。
ちなみに、「(Lush)」と括弧を付けるのは、同名の「ラッシュ」(Rush)というバンドがいるから。こちらは、ハードロックやプログレをやってます。
「L」のラッシュ(Lush)ですが、2015年に再結成するものの再び解散…。ライド復活と合わせて90sシューゲイザー・リバイバル…とならず残念でした。
でも、ミキが新たに始めたバンド「Piroshka」を聴いてみたら、これがまんまラッシュ(Lush)の音で、ちょっと嬉しくなりました。シューゲイザーは鳴りやまない…。
ありがとう、ラッシュ! ありがとう、「ガラ」!