こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、おかえりブー!24年ぶりの新作ブー・ラドリーズ「Keep On With Falling」です。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。
■ブー・ラドリーズ
ブー・ラドリーズ(The Boo Radleys)。
懐かしい!と思ったファンは、90年代ブリットポップにハマっていたひとでしょう。
ブー・ラドリーズは、イギリスのリヴァプール出身のロック・バンドです
地元インディーレーベルからミニアルバムを出した後に、クリエイション・レコーズと契約。1992年にデビューアルバム「エブリシング・オールライト・フォーエバー」(Everything Alright Forever)をリリースします。
続く1993年の2ndアルバム「ジャイアント・ステップス」(Giant Steps)では、レゲエやハウスなどの要素を取り入れ、幅広い音楽性を見せつけます。
すると同アルバムは、NMEのアルバム・オブ・ザ・イヤーを獲得。セールスも全英17位とスマッシュヒットとなりました。
そのブー・ラドリーズがブレイクを果たすのは、次のアルバム「ウェイク・アップ!」(Wake Up!/1995年)でした。
同アルバムでは、故郷リヴァプールが生んだビートルズを彷彿させるハーモニーやホーン・セクションを取り入れ、珠玉のポップソングを量産。
シングル「ウェイク・アップ・ブー!」の大ヒットもあり、アルバムは全英1位を獲得しました。
■Keep On With Falling
しかしバンドは、その後2枚のアルバムをリリースするも、いずれも不発。
1999年、突然に解散を発表して、音楽シーンから消えていきました…。
そんなブー・ラドリーズが、これまた突然に再始動を発表、音楽シーンに帰って来ました。
サイス、ティモシー・ブラウン、ロブ・シーカというオリジナル・メンバーが集まって、音楽活動を再開しました。
ギターのマーティン・カーが不参加なのは残念ですが、ブー・ラドリーズとして復活を遂げたのはうれしい…。
そして、何よりもそのサウンド…。これが、「ウェイク・アップ!」期を思い起こさせる、珠玉のポップソング集になっているのです。
そのバンド復活を告げるアルバムが、「Keep On With Falling」(2022年)です。
解散前のアルバム「キングサイズ」(Kingsize/1998年)からは、なんと24年ぶり…。
待ってたよ、ブー…。UKロックファンがそんな歓喜の声で迎えるアルバム。
今日の夢中は、ブー・ラドリーズ24年ぶりの新譜「Keep On With Falling」です。
■個人的なおススメ
それでは、アルバム「Keep On With Falling」の中から、個人的なおススメです。
まずは1曲め、「I've Had Enough I'm Out」。
おかえり、ブー…。このサウンド、このメロディ、このハーモニー。
「ウェイク・アップ」期を思い起こす美しいポップソング。24年の時を感じさせないブー・ラドリーズの幕開けを告げる歌です。
続いて2曲め、「Keep on with Falling」。
イントロのハーモニーからもう、ブー・ラドリーズのポップな世界観が満載です。
そのハーモニーに美しいギターの音色、細かな音の仕掛けまで、聴いてて楽しい。ポップソングって、こんなワクワク感が大切ですよね。
そして6曲め、「A Full Syringe and Memories of You」。
ゆったりと流れる音の世界…。重厚なストリングスで始まったかと思うと、音遊びのような電子音が弾けます。
そしてサビでは、サイスのボーカルにバンド演奏が重なり、大いに盛り上がります。ブー劇場の面目躍如と言うべきポップナンバーです。
おかえり、ブー!バンドもサウンドも帰ってきた…。
24年経ったとは思えない、90年代ブリットポップの瑞々しいサウンドを存分に楽しめます。
さらなる活動を期待できるブー・ラドリーズ。24年ぶりの新作「Keep On With Falling」でした。
ありがとう、ブー・ラドリーズ! ありがとう、「Keep On With Falling」!