こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、英ロックバンド・オアシスのドキュメント映画「スーパーソニック」です。
■超音速
オアシスのバンド結成から、伝説となったネブワースでの25万人ライブまでをたどるドキュメンタリー。
彼らのデビューが1994年、ネブワースでのライブが1996年。
このわずか3年弱の間に、オアシスは、超音速(スーパーソニック)でロックンロールスターに上り詰めました。
この映画でも、その軌跡が、その裏側とともに、スーパーソニックで語られていきます。
オアシス・ファンなら、必見!
オアシスを少しでも聴いたことがある人なら、試しに観てみたらきっと好きになるはず。
オアシスが嫌いな人は、これを見たらますます嫌いになるでしょう。
オアシス・ファンにはたまらない未公開映像がいっぱいあります。
例えば、愛らしい子供の頃のギャラガー兄弟(こんな子がなんであんなに憎々しくなってしまったのだろう?)。
例えば、インスパイラル・カーペッツのローディをしていた頃のイケてないノエル。
そして、アラン・マッギーとの即契約につながったグラスゴーはキングタッツ・ワー・ワー・ハッツの貴重なライブ映像!
さらには、LAのウィスキー・ア・ゴー・ゴーでの一触即発ライブ。この後、ノエルは一時失踪します。
わが日本からの未公開映像も見もの。兄弟の禁断(?)の映像が…。
監督を務めたマット・ホワイトクロスもインタビューで言っているのですが、「YouTubeが素晴らしい情報源だった」とのこと。
レコード会社や初期のカメラマンの協力はもちろん、熱烈なオアシスファンがいたことが大きかったと、彼は振り返っています。確かに、インターネットがここまで発達してなければ、こうした貴重な映像は消えてたでしょうね。
これからのドキュメンタリーは、ITの進化が大きな役割を果たしていくのかもしれません。
■トーク・トゥナイト
オアシスを少しでも聴いたことがある人は、きっとその歌の素晴らしさにあらためて感動すると思います。
私が最も印象に残ったのは、「トーク・トゥナイト」。
ノエルの弾き語りの曲なんですが、全米ツアー中に家出したときに作られました。
その当時のノエルの気持ちを思うと、歌詞の一つ一つが胸にひびきます。
そして、ライブ映像で流れる「アクイース」。
映画は兄弟の確執というか喧嘩そのものを生々しく記録しているのですが、この歌は一服の清涼剤となります。
「だって俺たちは互いを必要としてるじゃないか。俺たちは互いを信じてるじゃないか。今こそ本音を言い合おうよ。」(歌詞を勝手に和訳)
この歌をもっと聴きたい。そんな風に思うライブ映像でした。
そのほかにも、「サム・マイト・セイ」や「ワンダーウォール」、もちろん「スーパーソニック」などのヒット曲・名曲がふんだんに流れます。
音楽を聴くだけでもお釣りが来るほどの価値があると思います。
■暴力と暴言、そして…
オアシスが嫌いな人にとっては、ほんとうにムカつくシーンが多いのも事実です。
暴力と暴言、そしてドラッグ。
特にドラッグはヒドい…。
ライブの最中にスピーカーの陰で吸っていたというから重症です。
それほど身も心も追い込まれていたのかもしれませんが、だからと言って許されるものではないでしょう。
そのせいか、キレ方も半端じゃない。
レコーディング中の兄弟喧嘩はスタジオが粉々になるほど。
ノエルはクリケットのバットでリアムの頭を殴ったというから、もう事件ですよね。
それに影響しているかもしれないのが、難しいギャラガー家の家庭事情。
虐待、DV、貧しい少年時代。父との確執。ノエルがなぜギター引きこもり少年になったのか。
監督がこう言っています。
「愛憎の絡み合った関係の兄弟がいて、一つの部屋に一緒に住んでいる。とても不憫な幼少時代を過ごした。」
「そして二人の愛憎関係は、バンドを結成したときに限界に達した。一緒にバンドにいることの緊張、(中略)同じホテルにいることの緊張など、そうした緊張がたまりにたまって、ついにパチンと切れたんだ。」
解散は必然だったのでしょうか…。
それでも、私は、「アクイース」の歌詞を信じたい。
いつか二人が、ふたたび同じステージに立つ。そんな日を、今も願っています。
早くDVD出ないかな。
次は、超音速(スーパーソニック)じゃなくて、ゆっくりと何度も観てみたい。
そんな風に思うドキュメンタリー映画でした。
ありがとう、オアシス!
■オマケ
アラン・マッギー(オアスシを世に送り出したひと)が無常にもこんなことを言っています。
「(オアシス再結成の可能性は)ゼロだね。ノエルが絶対にやらないよ。」
・・・・・・。
それでも私は「アクイース」の歌詞を信じ…た…い…のです…が(苦しい)。
でも、同じインタビューで彼は、この映画を絶賛するコメントを寄せています。
「あのネブワースのユーフォリア(陶酔感)で締める構成は、パーフェクトなエンディングだよ。」
同感!!ユーフォリア万歳!!
オアシスを見つけてくれてありがとう、アラン・マッギー!