こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、ライド「4 EPs」!赤ライド、黄ライドなど初期EP4作品をコンパイルした限定盤です。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。
■ライド
90年代のUKロックを代表する4人組バンド、ライド(RIDE)。
1988年に英オックスフォードで結成すると、1990年にアルバム「Nowhere」でデビューを果たします。
1992年に2ndアルバム「Going Blank Again」、1994年に3rdアルバム「Carnival of Light」をリリース。
それぞれ全英チャート5位を記録し人気を博しますが、1996年の4thアルバム「Tarantula」のリリースを前に解散…。ブームは終焉を告げました。
しかし、2014年に本格的に活動を再開。2017年には21年振りとなるアルバム「Weather Diaries」をリリースします。
2019年には「This Is Not a Safe Place」と相次ぎアルバムをリリース。それぞれ全英チャートの11位と7位を獲得し、バンドの根強い人気を知らしめました。
そんなライドですが、ファンにはとんでもなく嬉しい限定アルバムがリリースされました。
それが今日紹介する「4 EPs」(限定盤)です。
何が「とんでもなく嬉しい」かと言えば、この限定盤に収められている楽曲群。
「4 EPs」のタイトル通り、今では入手困難となっているライドの初期EP4作品が1枚のレコードにコンパイルされているのです。
ライド・ファン悶絶必至…。90年代のライドを原体験した人はもちろん、再結成後のライドを聴いてファンになった人も必聴です。
90年代の、あの鮮烈なライドの音が今ここに蘇りました。
■初期EP4作品とは
初期EP4作品とは、まずは1989年のデビューEPとなった「RIDE EP」。通称「赤ライド」。
いまも演奏される「Chelsea Girl」を含む4曲が収録。轟音ツインギターと美しいツインボーカルが新たなサウンド到来を予感させました。
続く2作品目となったEPは、1990年リリースの「PLAY EP」。通称「黄ライド」。
衝撃の轟音ギターサウンド「Like a Daydream」がロック界を震撼させました。このEPは日本各地の輸入盤ショップで品切れを引き起こし、ロックファンの間にライド・ブームを引き起こしました。
EP3作品目は、同じく1990年リリースの「FALL EP」。通称「ペンギン・ライド」。
デビューアルバム「Nowhere」の先行EPという形でリリース。アルバム収録曲「Dreams Burn Down」を含む4曲を収録。そのサイケデリックな世界観に驚かされました。
そしてEP4作品目は、1991年リリースの「Today Forever」。通称「鮫ライド」。
デビューアルバムと2ndアルバムをつなく貴重な作品。「Unfamiliar」ではサイケデリックな世界観を、「Sennen」では美しいアコースティック・サウンドを響かせ、ライドが新たなステージに踏み出したことを知らしめました。
ほんと、どれも入手困難なので、こうしてコンパイルされた限定盤が出されるのは嬉しい…。
そして今回あらためて聴いて驚くのは、そのサウンドが今の時代に聴いても全く色褪せないこと。
はじめは轟音ギターが話題を呼びましたが、この4作品の間でもサウンドはサイケデリックやネオアコへと、さまざまな変化を遂げています。
ベースにあるのは美しいメロディなので、サウンドスタイルがどう変化しようとも、楽曲の持つ魅力は変わらない…。やっぱりライドが好きだなって思える限定盤「4 EPs」となっています。
■個人的なおススメ
それでは、そんなライドのレアEPをコンパイルした限定盤「4 EPs」から、個人的なおススメを紹介します。
まずは1曲め、「Chealsea Girl」。
通称「赤ライド」のリード・ナンバー。轟音ツインギターと美しいボーカル&ハーモニー。
疾走感あふれるサウンドが特徴のデビュー・シングル。ここからライドは始まりました。終盤に激しくかき鳴らされるギターは鳥肌ものです。
続いて5曲め、「Like a Daydream」。
これまた衝撃の轟音ギター・サウンド。この曲でライドにハマったひとも多いはず。それほどインパクトのあるナンバーです。
轟音ギターに目が行きがちですが、この曲のもう一つの魅力は、轟音ギターとは対照的な清涼感あふれるボーカルとメロディ…。これもライドの魅力です。
そして13曲め、「Unfamiliar」。
これまでの轟音ライドから熟成ライドへ、新たなサウンドを切り拓いた通称「鮫ライド」のリード・ナンバー。
1分20秒も続く前奏に、これまでのイメージを払拭しようという決意を感じます。重めのベースラインにシューゲイザー風のギター、美しいハーモニー。聴くほどに深くハマっていくライド・サウンドです。
いやぁもう、こんなに聴いてて嬉しくなったのは久しぶりかも。
90年代のライドを原体験した者としては、この限定盤は30年の時を超えて届いた玉手箱のようなもの。これからもずっと聞き続けることでしょう…。
ありがとう、ライド! ありがとう、「4 EPs」!