カメラ・オブスキュラ11年ぶりの新譜「Look to the East, Look to the West」

2024年7月4日

ふゆき

こんにちは。夢中図書館へようこそ！
館長のふゆきです。

今日の夢中は、カメラ・オブスキュラ11年ぶりの新譜「Look to the East, Look to the West」です。
「夢中図書館音楽館」は、ロックの名盤や新譜、個人的な愛聴盤などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。

■カメラ・オブスキュラ

今日とり上げるバンドは、カメラ・オブスキュラ（Camera Obscura）。
スコットランド出身の知る人ぞ知る伝説的インディー・ポップバンドです。

バンドは1996年、ボーカルでソングライティングを手がけるトレイシーアン・キャンベルを中心に結成されます。
2001年、アルバム「Biggest Bluest Hi Fi」でデビュー。インディー・シーンで注目を集めます。

Biggest Bluest Hi Fi

バンドは2003年に2ndアルバム「Underachievers Please Try Harder」をリリース、英米ツアーを行うなど精力的に活動します。
さらに2006年に3rdアルバム「Let's Get Out of This Country」をリリースすると、コクトー・ツインズやピクシーズを輩出した4ADと契約。

Underachievers Please Try Harder

4ADから、4thアルバム「My Maudlin Career」（2009年）、5thアルバム「Desire Lines」（2013年）をリリースします。
いずれもUKチャートTOP40入りするスマッシュヒットとなります。順調に見えたバンドですが、思いもかけない悲劇が訪れます。
2015年に、メンバーのキャリー・ランダーが死去…。ここからバンドは長期的な活動休止に入りました。

バンドに再始動の兆しが見えたのは2019年。同じグラスゴーのバンド、ベル・アンド・セバスチャンが企画するライブ・フェスティバルに招待され、そこでパフォーマンスを披露します。
これを機にメンバーが再集結。アルバム制作が進められると、2024年に6thアルバム「Look to the East, Look to the West」が完成しました。

Look to the East, Look to the West

おかえり、カメラ・オブスキュラ。おかえり、トレイシーアン…。
11年ぶりとなるアルバムは、これまでと変わらない…否これまでにも増して、美しいサウンドとなっています。
今日はカメラ・オブスキュラの復帰を祝して、新譜「Look to the East, Look to the West」を取り上げましょう。

■個人的なおススメ

祝！カメラ・オブスキュラ復帰＆新譜リリース！
記念すべき復帰作となった新譜「Look to the East, Look to the West」から、個人的なおススメです。

まずは1曲め、「Liberty Print」。
アルバム全体を象徴するかのようなピースフルなサウンド。心が洗われるような美しいポップ・ナンバーです。
スローなイントロから、テンポが上がってポップな曲調へ…。間奏で鳴らされるキーボードとギターの音色も美しい…。
何よりもトレイシーアンの歌声が心地よく耳に響きます。これぞカメラ・オブスキュラ。おかえり、トレイシーアン。

続いて2曲め、「We're Going to Make It in a Man's World」。
こちらもカメラ・オブスキュラらしい美しいポップ・ナンバー。過度なサウンドアレンジが施されていないのも良い雰囲気を醸し出しています。
この曲は、ランダーの後任として加入したドナ・マシオシナとの共作。うまくバンドに溶け込めているようですね。
歌詞は直訳すると「私たちは男どもの世界で成功するわ」。これは強力な女性ソングライティング・コンビ誕生か…。

そして3曲め、「Big Love」。
アルバムからの最初のシングルカット。ピースフルでキュートなポップ・ナンバーです。
特徴的なのはカントリー風に鳴らされるギター。これがバンドの奥行きあるサウンドをさらに味わい深いものとしています。
アルバム全体を通しても、こうしたカントリーやソウルの色合いが随所に散りばめられていて、聴き手をカメラ・オブスキュラの音の世界に誘います。おかえり、カメラ・オブスキュラ。