こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、祝サマソニで初来日!ザ・リンダ・リンダズの「リンダリンダ」で泣いた…です。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。
■サマーソニック2022
3年ぶりの開催となったサマーソニック2022(8/20・21開催)。
前夜のソニックマニアから2日間にわたるサマーソニックまで、熱いステージが繰り広げられました。
今回は「おうちでフジロック」に続いて「おうちでサマソニ」…。ライブの模様を配信で楽しみました。
最近はロックフェスを配信でも楽しめて、ロックファンには有難いですね。もちろんリアルで体感したいのはやまやまだけど…。
プライマル・スクリーム、クーラー・シェイカー、カサビアンなどなど、洋楽ファンにはたまらないラインナップ。
モニター越しでもビシバシ伝わるボルテージで、3年ぶりの歓喜が伝わって来ました。
久しぶりのビッグバンド来日に注目が集まるなかで、度肝を抜くステージを魅せた新人バンドがいました。
初日のマウンテン・ステージに上った可愛らしい4人の女の子。顔にヒゲのペインティングを施してる娘もいます。
ほのぼのとしてイイなぁ…なんて思ってたら、それぞれ楽器を鳴らすと、いきなり激しいビートが響き渡りました。
疾走するギター、重く弾けるベース&ドラム、代わる代わるボーカルをとる演奏スタイル…。
なんだこれは…。めちゃカッコいい、めちゃ楽しい、めちゃドキドキする…。
それが、このサマソニが初来日のガールズ・バンド、ザ・リンダ・リンダズ(The Linda Lindas)でした。
■ザ・リンダ・リンダズ
ザ・リンダ・リンダズ(The Linda Lindas)は、アメリカLA出身のパンク・ロック、パワー・ポップ・バンド。
2022年4月にデビューアルバム「Growing Up」をリリースしたばかりの新人バンドです。
なんと全員が10代、最年少のミラ(ドラム/ボーカル)が12才…。それで、こんなアグレッシブな音を出してるの?驚きです…。
もっと驚きなのは、そのキャリアが2018年から始まっていること。そのときミラは何歳なのよ?
メンバー全員がアジア系およびラテン系のアメリカ人女子です。
そのことから、クラスの男子から人種差別のような嫌がらせを受けたこともあったみたい…。
それでも挫けることなく、そんな男子に向けて「ムカツク!クズ野郎!」と叫び歌う曲(「Racist, Sexist Boy」)を作ったりしています。
そうした屈託のなさやストレートな感情表現が、彼女たちの強み。ある意味、これってロックの原点ですね…。
そのバンド名は、日本のロックバンド「ブルーハーツ」の名曲「リンダリンダ」にちなんでいます。
「ドブネズミミタイニ…ウツクシクナリタイ…」。
サマソニのステージで彼女たちが最後に演奏したのが、その「リンダリンダ」でした。
ザ・リンダ・リンダズが日本語でカバーする、ブルーハーツの「リンダ・リンダ」。
音楽は、国境を終えて、世代を超えて、皆の心を一つにする…。思わず涙がこみ上げてきました。
演奏中ずっと、ミラが満面の笑顔を浮かべていたのが印象的でした。その笑顔が全てを語っていたように思います。音楽っていいな、ライブっていいな。
戦争とか差別とか、大人たちは何をやってるんだろう…。こうしてみんな一つになれるじゃないか…。彼女たちのライブを観て、もっと頑張ろうって思いました。
■個人的なおススメ
それでは、ザ・リンダ・リンダズのアルバム「Growing Up」から個人的なおススメです。
まずは1曲め、「Oh!」。
アルバムの幕開けを飾る元気いっぱいのナンバー。
これぞパンクロックというようなビートと攻撃的なボーカル、「Oh!」のかけ声もロックしてます。
一転してサビは、キュートで誰もが口ずさめるようなメロディ…。硬軟おり交ぜた王道ロックンロール。こりゃみんな好きになるでしょ。
続いて2曲め、「Growing Up」。
アルバムのタイトルナンバー。「Oh!」はベラがリードボーカルを取っていましたが、こちらのリードはルシア(ミラの姉)。
彼女たちの持ち味が存分に発揮された、ポップでキュートなロックナンバー。ただ、一筋縄でいかないのは、そのギターソロの激しさを聴けば分かります。
ホームパーティーのようなMVも楽しい…。ほんと、元気でキュートな女の子たちです。
そして10曲め、「Racist, Sexist Boy」。
アジア系の彼女たちに、クラスの男子が差別的な発言をしてきたことをきっかけにつくられた曲。
人種差別や女性差別をする全ての男子に向けてストレートな怒りを放つ、ロックの原点のようなパンク・ナンバーです。
攻撃的なエロイーズ(ミラのいとこ)のボーカルとキュートなミラのボーカルのコラボも楽しい。もちろん、サマソニでも演りました。最高でした。
ほんと、最高ですね、ザ・リンダ・リンダズ。
ティーンエイジ・ガールズバンドというのが注目されるけど、むしろこの時代に、こうしたロックの原点のようなストレートなロックンロールを鳴らしていることに共感を受けました。
怒りとか喜びとか「好き」とか、そうした感情をストレートに表現する。それがこれほどパワーがあるとは…。内に秘めてる場合じゃないですね…。
さて、そんな彼女たちの「好き」の原点のような、ブルーハーツの「リンダリンダ」のカバー。アルバムには入ってませんが(注)、youtubeに動画がありましたのでご覧ください。公式ページなのでご安心を。
(注)「Growing Up」国内盤にはボーナストラックとして収録されています。
ありがとう、ザ・リンダ・リンダズ! ありがとう、「Growing Up」!
※サマーソニック2022のセットリストはこちら。
【ザ・リンダ・リンダズ(2022年8月20日マウンテン・ステージ)】
Growing Up
Monica
Why
Magic
Claudia Kishi
No Clue
Nino
Talking to Myself
Cuantas veces
Fine
Tonite (The Go‐Go’s cover)
Oh!
Racist, Sexist Boy
Linda Linda (THE BLUE HEARTS cover)