こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、フジファブリックのベスト盤「FAB LIST 2」を紹介します。
■フジファブリック
フジファブリック。
名曲「若者のすべて」などで知られる日本のロックバンドです。
以前、当夢中図書館でもとり上げましたね。※そのときの記事はこちら。
このバンド、とんでもない困難を乗り越えて今に至っています。
その出来事が起きたのは2009年。バンド結成時からの中心人物、志村正彦が急逝したのです…。
志村は、バンドのボーカルとギターを担うフロントマン。しかも、ほぼすべての楽曲を、志村が作詞・作曲していました。
当時のフジファブリックは、志村のバンドと言ってもおかしくないほど、その存在感は大きなものでした。
普通であれば、この時点でバンドは解散あるいは活動休止となるでしょう。
しかし、このバンドは残されたメンバーで、フジファブリックというバンドを継続することを決断しました。
新生フジファブリックは、メンバーの山内、加藤、金澤それぞれが作詞作曲を担当、山内がボーカルをとるスタイルでバンド活動を続けます。
これ、すごいことですよね。もともと才能があったのか、志村に感化されていたのか…。
洋楽ファンとして思い起こすのは、英国のバンド「ニュー・オーダー」。
前身のジョイ・ディヴィジョンが、中心人物のイアン・カーティスを自殺で失いますが、残された3人でバンド「ニュー・オーダー」を続け、絶大な人気を得ました。
まさに、フジファブリックは、和製ニュー・オーダーとも言うべき活躍を見せています。
残された3人が次々と新たな楽曲を生み出し、アルバムだけでも、「MUSIC」(2010年)、「STAR」(2011年)、「VOYAGER」(2013年)、「LIFE」(2014年)、「STAND‼」(2016年)。そして、2019年の「F」とコンスタントにリリース。
その創作意欲はとどまるところを知りません。3人のソングライターがいるから、楽曲もバラエティに富んでて面白いんですよね。
バンドは新しいファン層を獲得して、着実に人気を上げています。
そんな注目のフジファブリックが、ファン投票で収録曲が決まるベスト盤をリリースしました。
しかも、志村時代のベストプレイリスト「FAB LIST 1」と、新生フジファブリックのベストプレイリスト「FAB LIST 2」の2枚。
どちらも必聴ですが、今回は、新生フジファブリックの「FAB LIST 2」をとり上げます。
■個人的なおススメ
それでは、フジファブリックのベスト盤「FAB LIST 2」から個人的なおススメです。
まずは10曲め「フラッシュダンス」。
同曲が収録されたEP「FAB STEP」は新生フジファブリックを象徴するような作品。
「ダンスロック」をテーマに、メンバー3人が楽曲を持ち寄ってつくり上げているんですよね。
この曲はそのEPのリード曲。作詞が加藤、作曲が金澤、山内がボーカルをとります。キーボードのフレーズが印象的な、新生フジファブリックの魅力あふれるポップチューンです。
続いて12曲め「ブルー」。
ピアノのイントロから始まる、美しいバラード・ナンバー。
この曲を聴いて思い浮かべるのは、青く切ない青春の1ページ。
「改札の先、目で追いかけて」「レールは君を運んで行くから」「いつもうまく言えないのはなんでだろう」。
思いを伝えられないもどかしさが、メロディとともに胸に響く名曲です。
そして15曲め「手紙」。
この曲は、山内が故郷の大阪を想って書いた楽曲です。
だけど、この曲を聴くとどうしても「志村」の面影を感じないではいられません。
「さよならさえも言えずに」「夢と紡いだ音は忘れはしないよ」「君とまた歌えそうな夕暮れ」「きらめく夏の空に君を探しては…」。
山内が歌詞にのせた「君」への思い。これは、故郷への手紙であるとともに、志村への手紙なんじゃないかな…。
やっぱりフジファブリック、いいですね。聴くほどにハマっていきます。
彼らにとって2019年は、デビュー15周年、そして志村正彦没後10年となる節目の年。
このベスト盤で、次のステージに入っていく。そんな決意を垣間見たような気がしました。
ありがとう、フジファブリック! ありがとう、FAB LIST 2!