こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、ベル・アンド・セバスチャン7年ぶり10作目「A Bit of Previous」です。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。
■ベル・アンド・セバスチャン
ベル・アンド・セバスチャン(Belle And Sebastian)。
通称「ベルセバ」。大好きな音楽ファンも多いのではないでしょうか。
90年代後半に音楽シーンに登場すると、ネオアコ~ギターポップ・ファンを魅了しました。
日本でも人気が高くて、フジロックフェスティバルではヘッドライナーを務めたりもしています。
「グラスゴーの至宝」と言われる通り、彼らは英グラスゴー出身のバンドです。
1stアルバム「タイガー・ミルク」や続く「If You're Feeling Sinister」(邦題:天使のため息)、「ザ・ボーイ・ウィズ・ザ・アラブ・ストラップ」など初期作品で熱狂的なファンを獲得。カルト的な人気を博します。
すると2000年、4作目となる「Fold Your Hands Child, You Walk Like a Peasant」(邦題:わたしのなかの悪魔)がバンド初の全英トップ10アルバムに。
2003年の英老舗レーベル・ラフトレードと契約すると、トレヴァー・ホーンをプロデューサーに迎えた「ヤァ!カタストロフィ・ウェイトレス」やトニー・ホッファーを迎えた「ライフ・パースート」で、さらに幅広い音楽ファンを獲得しました。
Fold Your Hands Child, You Walk Like a Peasant
■A Bit of Previous
そんなベル・アンド・セバスチャンが通算10作目となるアルバムをリリースしました。
それが今日紹介する、「A Bit of Previous」(2022年)です。
スタジオ・アルバムとしては、2015年の「Girls in Peacetime Want to Dance」以来7年ぶり。
しかも本作は、「Fold Your Hands Child~」以来、久しぶりに地元グラスゴーでフル・レコーディングされています。
おかえり、ベル・アンド・セバスチャン。
地元グラスゴーはもちろん、四半世紀にわたり支持を続ける音楽ファンたちも待ち構えた作品。
その音楽は、ベルセバらしい美しいポップミュージックから珠玉のバラード…。
さらには、新境地ともいえるファンク・ナンバーからアップテンポなナンバーまで、バラエティに富んだ12曲が収録されています。
ここまで多種多様な楽曲を詰め込んだのは初めてじゃないかしら。
でも、全体を貫くポップなメロディや美しいコーラスはベルセバ流。聴くほどに彼らの音楽の世界に引き込まれていきます。
■個人的なおススメ
それでは、ベル・アンド・セバスチャン「A Bit of Previous」から、個人的なおススメを紹介しましょう。
まずは1曲め、「Young and Stupid」。
アコースティック・ギターにバイオリン…美しい弦楽器の音色に、やさしいメロディとボーカルが重なります。
「Everything is fine when you’re young and stupid」(若くて向こう見ずだったときはよかったね)なんて歌詞もベルセバ流。おかえり、ベル・アンド・セバスチャン。
続いて3曲め、「Talk to Me, Talk to Me」。
いきなり炸裂するキーボード…70sや80sを彷彿させるポップ・ナンバーです。
エレキギターのソロやそれに絡みつくポップな電子キーボード音、ボーカルとベースのコラボなど、様々な仕掛けも面白い。こんな曲も演れるんだな…。
そして7曲め、「Unnecessary Drama」。
この曲も「こんな曲も演れるんだな」と驚いたナンバー。アップテンポな8ビートにヘヴィーなリフ、疾走するハーモニカ…。
この曲は、強制的に活動を休止させられた後にもう一度やり直すかどうか迷っている若者を歌っているのだそう。「This is may life. This is my only life」の歌詞は、その若者の、そして活動を再開したベルセバの覚悟のメッセージかもしれませんね。
いやぁ、いいですね、ベル・アンド・セバスチャン。
バラエティに富んだ楽曲群となりましたが、どれもこれも聴いてて心地いいんですよね。
これが、ベルセバの魅力なのかな。エヴァーグリーンなポップ・ミュージック。およそ20年ぶりに、ベルセバの世界に引き込まれました。
ありがとう、ベル・アンド・セバスチャン! ありがとう、「A Bit of Previous」!