こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、8/31はヴァン・モリソンの誕生日。名盤「アストラル・ウィークス」を聴こう!です。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜、個人的な愛聴盤などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。
■今日は何の日
1日1頁、その日に起きた出来事やミュージシャンの誕生日などが記載されているタワレコ手帳(現在は製造中止…)。
8月31日の頁には、こんな出来事が記されていました。
【誕生日】ヴァン・モリソン(1945)
ヴァン・モリソン(Van Morrison)。
北アイルランド出身のシンガーソングライター。1993年にロックの殿堂入りを果たした大御所ミュージシャンです。
北アイルランドのベルファストで生まれたモリソンは、15歳でMonarchsというバンドに加入し音楽活動を始めます。
1964年にロックバンド「ゼム」を結成してデビュー。「グロリア」などのヒット曲を生み出し、ブルー・アイド・ソウルのブームを牽引します。
モリソンは1966年にゼムを脱退、ソロに転向すると、翌1967年に1stアルバム「ブロウイン・ユア・マインド」(Blowin' Your Mind)をリリース。
全米10位のヒットとなったシングル曲「ブラウン・アイド・ガール」を収録するも、セールスは振るわず。そもそも本作はモリソンの許可なしにリリースされたもの。モリソンの満足のいくものではありませんでした。
そんなモリソンの評価が高まったのは、1968年にリリースされた2ndアルバム「アストラル・ウィークス」(Astral Weeks)でした。
リリース当時は1.5万枚ほどしか売れませんでしたが、じわじわと人気を集めるとリリースから33年後の2001年にゴールドディスクを獲得。ポップ史を代表する名盤と評価を受けるアルバムとなりました。
■個人的なおススメ
今日は、そんなヴァン・モリソンの誕生日を祝して、名盤「アストラル・ウィークス」から個人的なおススメを紹介しましょう。
まずは1曲め、「アストラル・ウィークス」(Astral Weeks)。
名盤のはじまりはかくも美しく雄々しく…。アコースティック・ギターの音色をベースにして、ストリングスやフルートが重なります。
特にフルートの音色が印象的なのですが、奏者のジョン・ペインはこの曲をはじめて聴いて、はじめて演奏したテイクが採用されたことを明かしています。
なんだか特別な化学反応が起きたのかも…。音楽が生む奇跡の瞬間。すべての楽器の奏でる音がすばらしい。モリソンのボーカルもソウルフルです。
続いて3曲め、「スウィート・シング」(Sweet Thing)。
これまた何とも美しいナンバー。「アストラル・ウィークス」同様、フルートとストリングスが印象的に使われています。
さらにアコースティック・ギターとソウルフルなボーカル。2作目にしてモリソンは自身のスタイルを確立したかのようです。
歌われる内容はラブソングで、アルバムの中で唯一の前向きな曲。多くのアーティストにカバーされているナンバーです。
そして5曲め、「若き恋人たち」(The Way Young Lovers Do)。
CDでは5曲めですが、アナログ盤ではB面の1曲め。ちなみに同アルバムは、A面を「In The Beginning」、B面を「Afterwards」としています。
B面の1曲めを飾るにふさわしいノリのいいジャズ風のナンバー。ブラスが効果的に使われています。
実際にレコーディング・セッションにはジャズ・ミュージシャンが参加、モリソンのソウルフルなボーカルと組み合わさって、独特なサウンドを生み出しています。
■ヴァン・モリソンの今
すばらしいアルバムですね、ヴァン・モリソン「アストラル・ウィークス」。
いま聴いても色褪せないブルー・アイド・ソウル。その力強く艶のある歌声に引き込まれます。
このアルバムで確たる評価を築いたモリソンは、続く3rdアルバム「ムーンダンス」(Moondance)で全米29位を獲得。
さらにこの時期、ザ・バンドと交流を深め、ロビー・ロバートソンとともに名曲「4% パントマイム」(4% Pantomime)を書きあげたりしています。
その後もモリソンは精力的に音楽活動を続け、定期的にアルバムをリリースしています。
直近では、なんと44枚目となるスタジオ・アルバム「Moving On Skiffle」を2023年にリリースしています。
44枚目ってすごいですよね…。年齢を重ねて、さらに創作意欲が増しているようです。
今日(2023年8月31日)は、そんなヴァン・モリソンの誕生日。御年なんと78歳!まだまだ現役です。
誕生日おめでとう!ヴァン・モリソン!まだまだ元気な声を届けてください。
今日は、そんなヴァン・モリソンの伝説の始まり、アルバム「アストラル・ウィークス」を紹介しました。
ありがとう、ヴァン・モリソン! ありがとう、「アストラル・ウィークス」!