こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、UKパンクバンド「ザ・クラッシュ」の伝説のはじまり、1stアルバム「白い暴動」をとり上げます。
■今日は何の日
いつも愛用しているタワレコ手帳。
1日1頁、その日に起きた出来事やミュージシャンの誕生日などが記載されています。
4月8日の頁には、こんな出来事が記載されていました。
【出来事】クラッシュ、初アルバム「The Clash(邦題:白い暴動)」をリリース(1977)
UKパンクロックをリードした伝説のバンド、ザ・クラッシュ。
その1stアルバム「The Clash(邦題:白い暴動)」がリリースされたのが、1977年4月8日でした。
パンクロックは、1970年代半ばから後半にかけて勃興したロックスタイルの一つ。
1970年代半ばに、米ニューヨークでラモーンズやパティ・スミスらによって産み出され、その後英国に渡ってUKパンクバンドが続々誕生。一大ムーブメントとなりました。
UKパンクの祖と言えば、セックス・ピストルズ。「アナーキー・イン・ザ・UK」(1976年)で時代に殴り込みをかけます。
そのピストルズに衝撃を受けて誕生したバンドが、ザ・クラッシュです。
■ザ・クラッシュ
ザ・クラッシュは1976年、ミック・ジョーンズ(G/Vo)、ジョー・ストラマー(Vo/G)、ポール・シムノン(B)らによって結成されました。
翌1977年に、イギリスで1stアルバム「The Clash(邦題:白い暴動)」をリリースすると、一躍人気を集めます。
ピストルズが反体制的で攻撃的なパンクにこだわりアルバム1枚で終焉したのに対し、クラッシュはその後、パンクからロック、レゲエ、スカ、ヒップホップなど様々な音楽性をとり入れ、アルバム毎に進化していきました。
3rdアルバム「ロンドン・コーリング」(1979年)は、その幅広い音楽性を詰め込んだ2枚組の名盤。
米英で大ヒットとなり、パンクの枠にとらわれない幅広いファンを獲得しました。
バンドは、1985年の6thアルバム「カット・ザ・クラップ」を持って解散。
しかし解散後も人気は根強く、1990年に再発されたシングル「ステイ・オア・ゴー」が全英1位を獲得するなどの偉業を成し遂げます。
バンドはその功績が称えられ、2003年にロックの殿堂入りを果たしました。
■ロック・アゲインスト・レイシズム
ザ・クラッシュの1stアルバム「The Clash」の邦題ともなっている「白い暴動」。
これは、彼らのデビューシングル「White Riot」の邦題でもあります。
このシングルは、当時英国にはびこる階級社会とレイシズムについて批判したもの。
ストラマーは、「暴れるなら価値ある理由を見つけるんだ、黒人たちのように」と、白人の若者たちに人種を超えた共闘を訴えました。
この曲に象徴されるようなムーブメントが70年代後半のイギリスで起きます。
「ロック・アゲインスト・レイシズム」。音楽を通して人種差別撤廃を主張したムーブメントです。
当時のイギリスは経済が破綻状態。国民の不安と不満は、黒人をはじめとした移民たちに転嫁されました。
街に暴力があふれかえるなか、人種差別に対してロックで対抗する組織「ロック・アゲインスト・レイシズム」が発足します。
彼らの主張は、ザ・クラッシュをはじめとしたパンクやレゲエ音楽と結びつき、多くの若者たちに支持されていきます。
そして1978年4月30日、10万人による大規模なデモ行進と音楽フェスへと、時代を動かしていくことになるのです…。
なんか、現在の「ブラック・ライヴズ・マター」にも通じますよね…。
肌の色で不当な差別があってはなりません。「白い暴動」は、そうした人種差別撤廃を訴えるアイコンとして今後も歌われることでしょう。
なお、この「ロック・アゲインスト・レイシズム」に迫ったドキュメンタリーが映画化されています(2020年公開)。
その名も「白い暴動(White Riot)」。もちろん、山場となる音楽フェスも収録。ザ・クラッシュの演奏も見ることができます。色々と考えさせられるドキュメンタリーでした。
■White Riot-白い暴動
それでは、そんなザ・クラッシュの伝説のはじまりを聴きましょう。
1977年リリースのデビュー・シングル「White Riot」(邦題:白い暴動)。1stアルバム「The Clash(邦題:白い暴動)」に収録されているパンク・ナンバーです。
Back to the 1970s!"White Riot" by The Clash。Here We Go!
いやぁ、荒々しいですね。パンクの衝動がそのまま伝わって来ます。
ちなみに、この曲を含む1stアルバム「The Clash(邦題:白い暴動)」はアメリカでは当初リリースが見送られました。
つくりが粗く完成度が低いことが理由の一つと言われていますが、でも、それこそパンクですよね。同アルバムは輸入盤がバカ売れし、1979年に再構成されたアメリカ盤がリリースされています。
ありがとう、ザ・クラッシュ! ありがとう、白い暴動!