こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、米音楽界の大御所女性シンガー、メイヴィス・ステイプルズの新譜「We Get By」を取り上げます。
■メイヴィス・ステイプルズ
メイヴィス・ステイプルズ。
シェリル・クロウの新譜「スレッズ」で圧巻の歌声を披露していました。
※シェリル・クロウ「スレッズ」の記事はこちら。
さっそく彼女のアルバムを聴こうと探してみたら、2019年5月に新譜をリリースしていました。
御年80歳。衰えを知らない歌声に敬意を表して、今日はそのアルバム「We Get By」を取り上げたいと思います。
その前に、簡単にメイヴィス・ステイプルズのプロフィールを紹介しましょう。
メイヴィス・ステイプルズは、米シカゴ出身のR&Bシンガー。御年80歳の大御所女性シンガーです。
キャリアのスタートは、家族バンド「ザ・ステイプル・シンガーズ」でした。
バンドは、メイヴィスをリード・シンガーとして、60~70年代にコンスタントにアルバムをリリースしています。
彼女がソロ・アルバムを出したのは、1969年。自身の名前をタイトルにした「メイヴィス・ステイプルズ」でした。
その後もアルバムをリリースし続けますが、思うような成功を収めることはできません。
そんな彼女を救ったのは、彼女の才能を愛してやまないプリンスでした。
プリンスのプロデュースによるアルバム「Time Waits for No One」(1989年)がスマッシュヒットとなり、その後のソロ活動に勢いがつきます。
精力的に音楽活動を続けると、2010年にリリースした「You Are Not Alone」で、ついにグラミー賞を受賞しました。
その音楽活動は衰えるところを知らず、2017年に「If All I Was Was Black」をリリースすると、2019年に入り、2月にライブ盤「Live in London」、そして5月に「We Get By」と相次ぎリリース。
80歳にしてこのエネルギー…。本当に尊敬します。
■個人的なおススメ
それでは、そんな大御所シンガー、メイヴィス・ステイプルズの新譜「ウィー・ゲット・バイ」から、個人的なおススメです。
まずは1曲め「Change」。
のっけからメイヴィスの力強いボーカルがさく裂します。
「Gotta change around here」(ここから変えていくのよ)。その矛先が向けられるのはいまの米社会か。
ジャケット写真は、明らかに人種差別の問題を風刺していますもんね。アグレッシブなエレキ・ギターも胸に響く、力強いメッセージ・ソングです。
続いて2曲め「Anytime」。
これまたメイヴィスの魅力をたっぷり堪能できる1曲。
特にこの曲で魅せるのはソウルフルな歌声。終盤のシャウトはさすがはR&Bのレジェンド。ものすごいパワーです。
そして3曲め「We Get By」。
本作のプロデュースとソングライティングを手掛けているベン・ハーパーとのデュエットです。
We get by, we get by
No matter what happens
I'll be there for you
We get by
やっていこう、一緒にやっていこう
どんなことがあっても あなたと一緒にいるわ
あなたと2人なら やっていける (ふゆき訳)
メイヴィスがやさしく、そして高らかに歌い上げるラヴソング。名曲です。
すごいな、メイヴィス・ステイプルズ。
元はシェリル・クロウのアルバムでの共演を聴いたのがきっかけ。好きなアーティストがつながっていくって、音楽ファンにとっては嬉しい出会いですね。
ありがとう、メイヴィス・ステイプルズ! ありがとう、ウィー・ゲット・バイ!