ドンチュー、フォゲッラバゥミー? シンプル・マインズ再び

B!

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、英ロックバンド、シンプル・マインズのニューアルバム「Walk Between Worlds」です。

■ドント・ユー?

”ドンチュー、フォゲッラバゥミー~”
このフレーズを覚えているのは、洋楽好きの、いい年をしたおじさん、おばさんでしょう…。


Don't You (Forget About Me)(MV)

今日紹介するのは、英ロックバンド、シンプル・マインズ(Simple Minds)
1977年に結成された英スコットランドのロックバンドです。

もともとはパンクバンドのような音楽を演って細々と活動していましたが、そんな彼らに転機が訪れます。

それが、1983年。プロデューサーのスティーブ・リリーホワイトとの出会いです。
もともと親交のあったU2のボノの紹介で、この大物と出会うと、バンドの音は一変。彼のプロデュースによる6thアルバム「スパークル・イン・ザ・レイン」は全英1位の大ヒットとなります。


Sparkle in the Rain

そして1985年、冒頭の名曲が生まれます。”ドンチュー、フォゲッラバゥミー~”
原題は「Don't You (Forget About Me)」。邦題は「ドント・ユー?」。
もともとはブライアン・フェリーが歌うはずだったのですが、ブライアンがなぜか断ったため、シンプル・マインズが歌うことになりました。
ラッキーでしたね、シンプル・マインズ。これが全世界的に大ヒット!全英、全米1位となり、一気にスタジアム・アーティストとなりました。


Once Upon a Time

■Walk Between Worlds

正直、一発屋かなと思ってたのですが、地道に活動していたのですね。
キャッチアップしてなくてごめんなさい。

まさに、「ドンチュー、フォゲッラバゥミー(Don't You Forget About Me)?」と叱咤するかのように、彼らのニューアルバムが届けられました。
それが、最新作「Walk Between Worlds」


Walk Between Worlds

前作「Big Music」が高評価であった彼ら。その余波をかって、前作と同じ制作陣を迎えて、世に届けられたのが今作です。

全8曲、42分というシンプルな構成となっていますが、ここにメンバーの原点回帰の思いが込められています。
itunesなどのダウンロードミュージック全盛の今に殴りこむかのように、なんとA面、B面というアナログ盤のコンセプトを導入
前半と後半で、二つの異なる音楽性をもったつくり込みをしています。

いわゆるA面となる前半4曲は、滑らかなギター・サウンドとポスト・パンク時代のニュー・ウェーブなグルーヴに満ちたスタイルでまとめられています。
そして、その後続くいわゆるB面となる後半4曲は、一転して壮大な音楽観。名門Abby Road Studiosでレコーディングされたという楽曲群はドラマチックでもあります。

■個人的なおススメ

それでは、このアルバム「Walk Between Worlds」から、個人的なおススメを紹介します。

まずは2曲め「Summer」
いきなり今風な音が繰り出されて驚かされます。ただ次第に、ベテランならではのソリッドなメロディが奏でられます。
まさに「シンプル」にして力強いメロディ。以前より若々しくなったように感じるのは気のせいかしら?

さらに1曲め「Magic」
同じく今風な音です。ただ、何でだろう?彼らがやると80s風に聴こえます。
それはジム・カーの王道のボーカルであったり、生真面目な演奏に起因するのでしょうね。決して目新しくないんだけど、つい身体が揺れるような名曲です。


Magic(MV)

そして、アルバムタイトルにもなっている7曲め「Walk Between Worlds」
B面はドラマチックな楽曲が並べられていますが、なかでもこの曲は雄大にして重厚。シンプルではないシンプル・マインズの魅力がたっぷり味わえいます。

ごめんね、シンプル・マインズ。「ドント・ユー?」以来、すっかり忘れてました。
そんなファンを一喝するような、迫力ある楽曲群。シンプル・マインズ顕在を高らかに宣言するアルバムです。

ありがとう、シンプル・マインズ! 祝、ニューアルバム「Walk Between Worlds」リリース!

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