こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、21世紀の極彩色サイケデリック・ロック!クーラ・シェイカー「ワームスレイヤー」です。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜、個人的な愛聴盤などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。
■クーラ・シェイカー「ワームスレイヤー」
ロックの魔法は、まだ解けてなんかいなかった——。
スピーカーから溢れ出す圧倒的な色彩、うねるようなオルガン、そして空気を震わせる12弦ギター。
90年代のUKシーンに突如として現れ、東洋の神秘と西洋のロックを融合させた伝説のバンド「クーラ・シェイカー」(Kula Shaker)が圧巻の新作をリリースしました。
それが、前作からわずか2年、彼らの通算8作目となるニューアルバム「ワームスレイヤー」(Wormslayer)です。
このアルバム、単なる8枚目ではありません。デビュー当時の熱量と、30年のキャリアで磨かれた深みが融合した、最高到達点と言える一枚になってるのです。
クーラ・シェイカーを語る上で欠かせないのは、フロントマンのクリスピアン・ミルズが持つ比類なきカリスマ性と、東洋思想への深い敬愛です。
90年代、多くのバンドが日常の不満を歌う中で、彼らは「真理」や「神秘」を歌って、チャートの頂点へと駆け上がりました。
一度は解散を経験しながらも、2022年末にオリジナル・メンバーであるキーボードのジェイ・ダーリントンが復帰。
黄金時代の4人が揃った今の彼らは、長いキャリアのなかでも最強の状態。前作「ナチュラル・マジック」からわずか2年で新作が届いたのも、バンドがノッている証左でしょう。
新作「ワームスレイヤー」(Wormslayer)は、「虫を退治する者」あるいは「竜を斃すもの」という意味。
その力強いタイトル通り、サウンドもライブの熱量をとじ込めたような生々しいギターや広大なサウンドスケープを楽しむことができます。
持ち味であるサイケデリック・サウンドは、ここに来てさらに熟成を増した感じ。アルバム全体が一つの物語のような構成になっており、独自の世界観へとリスナーを引き込みます。
■個人的なおススメ
それでは早速、クーラ・シェイカーの8枚目のアルバム「ワームスレイヤー」から、個人的なおススメです。
まずは1曲目、「Lucky Number」。
アルバムの幕開けを飾る、クーラ・シェイカーの魅力さく裂のロック・ナンバー。
サイケデリックなSEから一転、ガレージ・ロック風の小気味よいリフが炸裂します。クリスピアンのボーカルも神秘的にして情熱的。
聴く者すべての心を鷲掴みます。かつての「Hey Dude」を彷彿とさせる、ライブ映え間違いなしのキラーチューンです。
続いて2曲目、「Charge of the Light Brigade」。
「Charge of the Light Brigade」(軽騎兵の突撃)は、クリミア戦争時のイギリス軍の悲劇的な突撃事件のことを指します。
軍隊の行進のようなリズムに乗せて、クリスピアンのボーカルが力強く響きます。「癒しの時間だ、現実に戻る時間だ」という歌詞は、混沌とした今の時代へのメッセージでしょうか。
勇壮でありながら、どこか哀愁漂うメロディに胸が熱くなります。聴くほどに独特な世界観に引き込まれていく一曲です。
そして5曲目、「Broke As Folk」。
個人的に今作で最もヘビロテしているのがこの曲です。イントロの怪しげなキーボードとスライドギターはどこかドアーズを彷彿させます。
クリスピアンのカリスマ性は、現代のジム・モリソンと言えるかも…。ダークなオープニングは、やがてタイトなビートをまとったクールなギターロックへ。
浮遊感あるキーボードの音色が加わると、クーラ・シェイカーにしか成しえないサイケデリック・ロックが舞い降ります。たまりません…。
この「ワームスレイヤー」は、かつてのブリットポップ世代はもちろん、「音楽に魔法を求めている」すべての人に聴いてほしいアルバムです。
黄金期を迎えたクーラ・シェイカーが描き出す、眩いばかりに鮮やかな音の万華鏡。ボリュームを上げて彼らの音の世界へ飛び込んでみてください。
今日の夢中は、21世紀の極彩色サイケデリック・ロック!クーラ・シェイカー「ワームスレイヤー」でした。
ありがとう、クーラ・シェイカー! ありがとう、「ワームスレイヤー」!