こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、ウィーザー「ザ・グリーン・アルバム」!再びポップにロックにWeezer復活の3rdアルバムです。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜、個人的な愛聴盤などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。
■ウィーザー
2025年初に開催されたニューイヤー洋楽フェス「rockin'on sonic」。
このところずっと、同フェスに出演したバンドを当ブログで紹介してきました。そうして次々と取り上げずにはいられないほど素晴らしいラインナップでした。
めくるめく2日間のロックの祭典…。その大トリに登場したのが、ウィーザー(Weezer)でした。
これがもう…。おそらくその場にいた誰もが「ウィーザー最高だった」と感嘆したレベルの、圧巻のライブパフォーマンスを見せてくれました。
全米を席巻した、「ブルー・アルバム」30周年を記念して全曲演奏する「Voyage to the Blue Planet」ツアーをもって来日。
後半は、圧巻のブルー・アルバムの楽曲オンパレードでした。初期ファン歓喜!初見のひともウィーザーのとりこになったことでしょう。
さらに個人的に嬉しかったのは、2ndアルバム「ピンカートン」の楽曲も結構やってくれたこと。
このアルバム、商業的にはコケましたが良い曲揃いなんですよね。「Gechoo」や「Pink Triangle」、「Across the Sea」までやってくれました。
■ザ・グリーン・アルバム
今日の夢中は、そんな余韻冷めやらぬなか、やっぱりウィーザーを取り上げたいと思います。
これまで、1stアルバム「ブルー・アルバム」や2ndアルバム「ピンカートン」は、当ブログで取り上げましたので、今日は3rdアルバムを取り上げましょう。
それが、2001年にリリースされたセルフタイトルアルバム「ウィーザー」。通称「ザ・グリーン・アルバム」です。
前作「ピンカートン」(1996年)が商業的に振るわなかったことから、バンドはその後しばらく活動を休止します。この時期、リヴァース・クオモは鬱状態になったりしています。
それでも2000年、ファンの熱烈な支持もあってライブ活動を再開。再びスイッチの入った彼らが制作したのが「ザ・グリーン・アルバム」です。
バンドは、1stでプロデューサーを務めたリック・オケイセックを起用。リヴァースは2ndのような内向的な歌詞は書かず、シンプルな曲作りを心掛けました。
バンドは毎日新曲のデモに取り組んで75曲以上も録ったと言われます。その中からバンドとオケイセックは最終的に10曲まで絞り込みました。
そして2001年5月に「ザ・グリーン・アルバム」はリリースされます。同アルバムは音楽シーンに熱烈に歓迎され、全米4位の大ヒットアルバムとなりました。
そんなウィーザー復活のアルバムとなった「ザ・グリーン・アルバム」から、個人的なおすすめを紹介しましょう。
まずは2曲目、「フォトグラフ」(Photograph)。
いかにもウィーザーらしいパワーポップ・ナンバー。アルバムからの3rdシングル、日本では1stシングルとしてリリースされました。
曲調もコーラスも明るく、シンプルな歌詞と分かりやすいメロディ。この辺は、まさに彼らの狙い通り、1stアルバム「ブルー・アルバム」を彷彿させるナンバーです。
初期のライブでは、ドラマーのリック・ウィルソンがリードボーカルとギターを担当し、リヴァースがドラムを演奏したのだとか。そのバージョンも見てみたい…。
続いて3曲目、「ハッシュパイプ」(Hash Pipe)。
ハードなギタープレイも印象的なロックナンバー。アルバムからの1stシングルとしてリリースされ、米オルタナティブ・チャート2位を獲得しました。
レーベル幹部は「ドント・レット・ゴー」(Don’t Let Go)をシングルに推しましたが、リヴァースが頑として譲らなかったそう。思い入れの強い曲なんでしょうね。
この曲は、オジー・オズボーンに渡すつもりだったが使われなかったという逸話が残っています。オジーのバージョンも聴いてみたい…。
そして4曲目、「アイランド・イン・ザ・サン」(Island In the Sun)。
アルバムからの2ndシングル。全米のラジオでヘビロテされたポップロック、海外でも最大のヒットとなりました。
憂いを帯びたアコースティック・ギターと哀愁漂うボーカル、このちょっと切ないロックも彼らの魅力なんだよね…。
間奏ではこれまた抒情たっぷりのエレキギターがかき鳴らされます。rockin'on sonicでも演奏され、会場を大いに盛り上げました。
いやぁ、やっぱり最高だわ、ウィーザー。このアルバム、あのライブ、ウィーザーのファンで良かったと思います。
楽曲の良さもそうだけど、rockin'on sonicのライブで際立ったのは、彼らの独特なステージ・パフォーマンス。決してロックスターではない、むしろコメディアン風の愛嬌がありました。
特にリヴァースは、ところどころで日本語MCを挟み(「ヨクデキマシタ」「ゴメンナサイ」「コノヤツ」…)、観衆を和らげました。
この辺りも彼らのライブが評判を生む理由なのでしょう。また絶対に来日してほしい。今日の夢中は、ウィーザーの3rdアルバム「ザ・グリーン・アルバム」でした。
ありがとう、ウィーザー! ありがとう、「ザ・グリーン・アルバム」!