5/20はザ・ジャムの1stアルバム「In The City」がリリースされた日

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こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、UKモッズ&パンクバンド「ザ・ジャム」、その1stアルバム「In The City」をとり上げます。

■今日は何の日

いつも愛用しているタワレコ手帳
1日1頁、その日に起きた出来事やミュージシャンの誕生日などが記載されています。

5月20日の頁には、こんな出来事が記載されていました。

【出来事】ジャム、初アルバム「In The City」をリリース(1977)

UKモッズ&パンクで音楽シーンを沸かせたバンド、ザ・ジャム。
その1stアルバム「In The City」がリリースされたのが、1977年5月20日でした。


In The City

当時は、セックス・ピストルズが「アナーキー・イン・ザ・UK」(1976年)を送り出し、ザ・クラッシュが1stアルバム「白い暴動」(1977年)をリリース。
パンクロックが蠢動するさなかに、「ザ・ジャム」はシーンに登場しました。

そうしたタイミングもあり、また彼らの初期の音楽スタイルもあり、初期パンクの括りに入れられる彼ら。
ただ、細身のモッズスーツをスタイリッシュに着こなし、ザ・フーやキンクスの影響を色濃く感じさせてるソリッドなロックンロールは、他のパンクバンドと一線を画しました。

モッズ&パンクで若者たちの強い支持を集めたバンド、ザ・ジャム。
彼らの鮮烈なデビューアルバムが「In The City」です。

■ザ・ジャム

ザ・ジャムは、ポール・ウェラー(Vo&G)を中心に結成された英ロック・バンド。
ウェラーが18歳のときに、「In The City」(1977年)で鮮烈にデビューしました。


In The City (Remastered)

当時シーンを席巻していたパンク・ムーブメントの追い風を受けて、同アルバムは全英チャート20位のヒットアルバムに。
ウェラーの精悍ながらも少年の面影を残すルックスと焦燥感あふれるハードな演奏が、若者たちの心を鷲掴みしました。

時代背景もありUKパンクに括られる彼らですが、その音楽のルーツは、ザ・フーやスモール・フェイセス、モータウンR&Bにあります。
その音楽嗜好を惜しみなくつぎ込んだ3rdアルバム「オール・モッド・コンズ」(1978年)は全英6位の大ヒットに。


オール・モッド・コンズ

さらにバンドは、アルバム毎に様々な音楽要素をとり入れて進化を遂げていきます。
そして、ホーンセクションやファンクを大胆に取り入れたアルバム「ザ・ギフト」(1982年)をリリース。

バンドとして初の全英1位を獲得するも、ウェラーは最盛期にバンドの終止符を打つことを決断。
突如バンド解散を宣言すると、絶大な支持を得たまま、1982年12月のラストギグをもって幕を下ろしました…。


ザ・ギフト

■In The City

最後までカッコよかった「ザ・ジャム」。
今日は、その歴史のはじまりとなった1stアルバムに収録されているタイトル曲「In The City」を聴きましょう。

ザ・ジャムのデビュー・シングルにして、全ての若者たちへの賛歌
ウェラーが「The City」に住まう人々にアツく訴えかけます。出だしはこんな感じ。

In the city there’s a thousand things I wanna say to you
この街でお前たちに言いたいことが山のようにあるんだ
(ふゆき訳)

そして、18歳のウェラーが若者たちの代弁者のように歌い上げます。

They wanna say, they gonna tell you
About the young idea
You better listen, now you've said your bit
若いやつらはみんな 声をあげたいんだ
伝えたいんだ 自分たちの考えを
聞いたほうがいいぜ あいつらの声を
(ふゆき訳)

若者たちへのエール、世代の壁を突き破るメッセージ…。
そんなザ・ジャムのほとばしる情熱ソングを聴いてみましょう。The Jam "In The City", here we go!

これ、今の時代にもつながるメッセージですよね。
大の大人がやるべきこともやらずに、ただ若者たちを批判してルールを押し付けるから、彼らは憤るのでしょう。

年長の人に従え、制服を着た人の言うことを聞け、言われたことはつべこべ言わずやれ…。
そんなの、やることもやっていないポンコツな大人たちに言われたくないってのが、若者たちの本心でしょう。

もっと真摯に若者たちの声を聞いてはどうでしょうか。彼らが未来を背負っていくんだから…。
ザ・ジャム「In The City」、どんな時代でも、どんな世代でも、胸に刻んでおきたい名曲です。

ありがとう、ザ・ジャム! ありがとう、In The City!

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