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館長のふゆきです。
今日の夢中は、The Cribsが帰ってきた!新作「Selling A Vibe」で鳴らす、不器用で剝き出しのロックの衝動です。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜、個人的な愛聴盤などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。
■ザ・クリブス「Selling A Vibe」
イギリスが誇るインディー・ロックの至宝、ザ・クリブス(The Cribs)が帰ってきました。
前作から5年以上。「待ちわびた」なんて言葉では足りないほど長い月日でしたが、通算9枚目となるニューアルバム「Selling A Vibe」をリリースしました。
ザ・クリブスは、英ウェイクフィールド出身、ゲイリー、ライアン、ロスのジャーマン3兄弟によるスリーピースバンドです。
2000年代初頭、いわゆる「ガレージロック・リバイバル」の真っ只中に現れた彼らですが、流行に乗りそうで絶対に乗らない、独自のスタンスを貫いてきました。
彼らの魅力は、なんといってもキャッチーなメロディとザラついたパンク精神の鮮やかな融合です。
かつて元ザ・スミスのジョニー・マーが正式加入していた時期もありましたが、結局は「兄弟3人」という最小単位の絆に戻り、兄弟の鮮やかな融合をサウンドで奏でています。
さて、待望の新作「Selling A Vibe」ですが、タイトルの通り「今の雰囲気(バイブス)を売る」という、彼ららしいちょっと皮肉めいた、でも真っ直ぐなメッセージが込められています。
5年以上のブランクを感じさせないどころか、サウンドはより研ぎ澄まされ、初期の衝動的なガレージ感と、近年の洗練されたパワーポップ的なメロディが見事に融合しています。
アルバム全体を流れるのは、ストレートなロック愛です。そこにあるのは、ギター、ベース、ドラム、そして少し歪んだボーカル。
凝ったギミックや過剰なプログラミングはありません。それだけで、なぜこれほどまで聴く者の心を揺さぶるのか…。いい意味で前時代的なロックの衝動が感じられる1枚となっています。
■個人的なおススメ
それでは、そんなザ・クリブスの新作「Selling A Vibe」から、個人的なおススメです。
まずは3曲目、「A Point Too Hard to Make」。
印相的なベースライン、ソリッドなドラムと煌めくギター。「これぞクリブス」と叫びたくなるような、ジャーマン兄弟の鮮やかな融合が奏でられます。
疾走感の中にもそこはかと哀愁が漂うのも彼らの持ち味。「伝えたいのに伝えきれない」というもどかしさを描いた歌詞も胸にぐさりと刺さります。
続いて4曲目、「Never The Same」。
英ロック伝統のソリッドなギターロック。小気味いいリズムと、サビの兄弟のコーラスも鮮やか。
彼らの新しいアンセムになりそう。ライブで盛り上がること間違いなしのロックチューンです。
そして5曲目、「Summer Seizures」。
アルバムに先駆けてリリースされたシングル曲。聴くほどにハマっていく奥行きのあるロックナンバーです。
派手なサビやアレンジがあるわけではありませんが、伸びやかなギターが曲調を盛り上げます。切ないボーカルもこの曲にぴったり。
少し気だるさもあって、でも次第に熱くなるような、ロック本来の楽しさが詰まった一曲です。
すごいな、クリブス。結成から20年超を経ても、剥き出しのロックの衝動は変わっていません。
むしろ年齢を重ねてなお、そうした荒々しいロックを鳴らし続けることを楽しんでいる感じ。きっと自分たちが信じるロックを追求しているんだろうな…。最高にカッコいいアルバムでした。
今日の夢中は、The Cribsが帰ってきた!新作「Selling A Vibe」で鳴らす、不器用で剝き出しのロックの衝動でした。
ありがとう、ザ・クリブス! ありがとう、アルバム「Selling A Vibe」!