ティーンエイジ・ファンクラブ「グランプリ」 名曲ぞろい!カート・コバーン追悼曲も

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こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、ティーンエイジ・ファンクラブ「グランプリ」 名曲ぞろい!カート・コバーン追悼曲も…です。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜、個人的な愛聴盤などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。

■ティーンエイジ・ファンクラブ「グランプリ」

スコットランドのグラスゴー出身のロックバンド、ティーンエイジ・ファンクラブ(Teenage Fanclub)。
館長ふゆきの大好きなバンドです。略称は「TFC」。彼らの来日ライブに毎日足を運んだこともあります(いわゆる「おっかけ」?)。

今日は、そんなTFCが1995年にリリースしたアルバム「グランプリ」(Grand Prix)を取り上げましょう。
通算5枚目となるスタジオアルバム。バンドとして初の全英トップ10入り(7位)を獲得しました。


グランプリ(レコード盤)

そうした商業的なブレイクだけでなく、このアルバムは音楽の方向性としても大きな転換点となった作品です。
これまでの彼らは、グランジ・ロックに対する英国からの返答などと称されるように、轟音ギター・ロックが代名詞でした。

それが、このアルバムでは明らかに印象が違います。アルバムのベースを成す、ポップでピースフルなサウンド
もともとグッド・メロディは、彼らの魅力であり持ち味でした。このアルバムではそのグッド・メロディにますます磨きがかかっています。

特に、その音楽の方向性を際立たせているのが、各曲で織りなされる美しいハーモニー
ボーカリストが3人いることも大きいですよね…。特に、ノーマン・ブレイクとジェラルド・ラブのハーモニーは鳥肌ものです。

このハーモニー重視のTFCサウンドは、次作「ソングス・フロム・ノーザン・ブリテン」で確立されるのですが、すでに本作で方向性が示されていると言えるでしょう。
轟音ギターからピースフル・サウンドへ…。TFCサウンドは新たなステージに入ります。それがアルバム「グランプリ」。傑作です。


ソングス・フロム・ノーザン・ブリテン

■個人的なおススメ

それでは、そんな傑作アルバム「グランプリ」から、個人的なおススメです。

まずは2曲め、「Sparky’s Dream」
ジェラルドの作品。メイン・ボーカルもジェラルドです。一聴して分かるように、とんでもなくポップです。
これが轟音ギターを代名詞にしていたバンドか…。ジェラルドの優しいボーカルがポップな曲調にマッチしているのですが、さらにこの曲の魅力を増しているのがサビの美しいハーモニーです。
ノーマン&ジェラルドのグッド・メロディ、グッド・ハーモニー。これが新しいTFCの魅力です。

続いて3曲め、「Mellow Doubt」
こちらは一転して、悲しげなメロディ。それもそのはず、この曲はニルヴァーナのカート・コバーンの追悼曲。カートは前年に、自ら命を断っていました…。
TFCは、グランジへの英国からの返答と称されていたように、何かとニルヴァーナを引き合いに出された時期がありました。一方で、カートも同じグラスゴー出身のヴァセリンズを崇愛してることもあって、両者には他者でははかり知れない絆があったようです。
中盤でノーマンが吹く切ない口笛は、カートへの惜別のメッセージでしょう。なんとも儚くも美しい名曲です。

そして6曲め、「Neil Jung」
こちらもノーマン作、メイン・ボーカルもノーマンです。TFCの楽曲なかでも屈指の名曲。館長ふゆきも大好きな曲です。
ノーマンの親友で同じグラスゴーのミュージシャン、ダグラス・T・スチュワート(BMXバンディッツ)に送った曲。ダグラスは失恋して落ち込んでいたみたいですね…。
「傷みを抱えないで、忘れなよ」(Couldn't take the pain and left it there)となぐさめる歌詞にじんと来ます。名曲です。


美しいメロディ美しいハーモニー…。故カート・コバーンへの惜別や傷心の友人への慰撫など、歌に込めた思いも美しい…。
心に響く名曲ぞろいのアルバム「グランプリ」。ティーンエイジ・ファンクラブの新しい魅力が詰まった傑作です。

ありがとう、ティーンエイジ・ファンクラブ! ありがとう、「グランプリ」!

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