こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、"僕はまた一人になった"…ギルバート・オサリバン「アローン・アゲイン」です。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。
■ギルバート・オサリバン
1日1頁、その日に起きた出来事やミュージシャンの誕生日などが記載されているタワレコ手帳(現在は製造中止…)。
12月1日の頁には、こんな出来事が記されていました。
【誕生日】ギルバート・オサリバン(1946)
アイルランド出身のミュージシャン、ギルバート・オサリバン(Gilbert O'Sullivan)。
1970年代前半に数々の名曲を音楽シーンに送り出したシンガーソングライターです。
デビューは1967年ですが、最初のヒット曲となったのが1970年リリースの「ナッシング・ライムド」でした。
この曲は全英8位のスマッシュヒットとなると、アルバム「ヒムセルフ」も全英5位の大ヒットアルバムとなりました。
さらに彼の名を世界に知らしめたのは、1972年リリースのシングル「アローン・アゲイン」(Alone Again(Naturally))です。
この曲は世界的な大ヒットとなり、特にアメリカではビルボードで6週連続1位、同年の年間シングルチャートで1位を獲得するほどの大成功を収めました。
その後も彼は「ゲット・ダウン」「クレア」などヒット曲を量産。しかし、1970年代後半になると人気は翳り出します。
80年代には人里離れた島に暮らすなど音楽活動から離れますが、90年代に入って音楽シーンに復帰。今なお現役で音楽活動を続けています。
■アローン・アゲイン歌詞
今日(12月1日)は、そんなギルバート・オサリバンの誕生日。彼の名曲を聴いて祝福しましょう。
もちろん聴くのは、彼の代表曲にして超名曲、「アローン・アゲイン」(Alone Again(Naturally))です。
先述の通り、全米ビルボード6週連続1位を獲得した大ヒット曲。
全英チャートでも3位、日本のオリコン洋楽シングルチャートでは5週連続1位を獲得しています。
アコースティック調の美しいナンバー。一聴すると、ピースフルで、郷愁をかき立てられるようなポップソングです。
ただ実は、歌詞は結構重め…。主人公に降りかかった悲しい出来事が切々と歌われています。
In a little while from now
If I'm not feeling any less sour
I promised myself to treat myself and visit a nearby tower
And, climbing to the top, will throw myself off
In an effort to make it clear to whoever
What it's like when you're shattered
今からしばらく経っても 気分が少しも晴れないなら こうしてやろうと誓ったんだ
近くの塔に行って てっぺんまで登って 身を投げてやろうって
はっきり分からせたいんだ 心を打ちのめされたらどんな気持ちになるかを(ふゆき訳)
Left standing in the lurch at a church
Where people are saying "My God that's tough! She stood him up!
No point in us remaining. We may as well go home"
As I did on my own. Alone again, naturally
僕は教会に一人 置き去りにされた
人々は言っている「なんてことだ… 婚約者が逃げちまった
もうここにいてもしょうがないな 家に帰ろうぜ」
自分でそうしたかのように 僕はまた一人になった とても自然に(ふゆき訳)
この辺りの歌詞は、映画「卒業」のラストシーンを想起しますね…。
花嫁を奪われて、一人取り残された花婿のいたたまれない気持ち。辛い、切ない…。
その後の歌詞も、昨日までは「元気で陽気な男」(cheerful, bright and gay)だったのに、何の前触れもなく辛い現実が襲ってきて「僕は粉々にされた」(cut me into little pieces)と歌われています。
そして、歌詞は最後に、父母との別れが歌われます。
Now looking back over the years
And whatever else that appears
I remember I cried when my father died
Never wishing to hide the tears
And at sixty five years old
My mother, God rest her soul
Couldn't understand, why the only man
She had ever loved had been taken
記憶を辿っていくと いろんな出来事がよみがえってくる
父さんが死んだとき 僕は泣いて 涙を隠そうともしなかった
その後 65歳で母さんが天国に旅立った 僕は理解できなかった
なぜ母さんは最愛のひとを奪われなければならなかったのか(ふゆき訳)
Leaving her to start with a heart so badly broken
Despite encouragement from me
No words were ever spoken
And when she passed away
I cried and cried all day
Alone again, naturally
Alone again, naturally
彼女は悲痛な心を抱えたままで 生きなければならなかった
僕の励ましにもかかわらず 母さんは一言も喋らなくなった
そして彼女は亡くなった 僕は一日中 泣いて泣き続けた
僕はまた一人になった とても自然に
僕はまた一人になった とても自然に(ふゆき訳)
■名曲「アローン・アゲイン」
それでは、そんなギルバート・オサリバンの名曲「アローン・アゲイン」を聴きましょう。
1972年の大ヒットナンバーです。Gilbert O'Sullivan, "Alone Again(Naturally)", here we go!
歌詞の内容を知ってから聴くと、この歌の印象が変わります。
軽やかにやさしく聴こえていたボーカルが、もの悲しく儚げに聴こえたり…。間奏のギターの音色がなんとも切なく胸に刺さったり…。
聴くほどに心が揺さぶられます。そんな曲は数多くないけど、この曲は間違いなく、心を動かす名曲です。
あらためてこの曲が大好きになりました。
今日の夢中は、ギルバート・オサリバンの名曲「アローン・アゲイン」。彼の誕生日をお祝いして紹介しました。
彼は今も現役で音楽活動を続けています。これからも健康で、ずっと「アローン・アゲイン」を歌い続けてほしい…そう思います。
誕生日おめでとう、ギルバート・オサリバン! ありがとう、「アローン・アゲイン」!