こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、ビリー・ジョエルの名盤「ニューヨーク52番街」をとり上げます。
■今日は何の日
いつも愛用しているタワレコ手帳。
1日1頁、その日に起きた出来事やミュージシャンの誕生日などが記載されています。
10月1日のページには、こんな出来事が記載されていました。
【出来事】ビリー・ジョエル「52nd Street」(邦題:ニューヨーク52番街)などが、世界初のCDとして日本で発売(1982)
そうでしたか。1982年10月1日に、コンパクトディスク(CD)が生まれたのですね…。
CDは、デジタル情報を記録するためのメディアです。レコードに変わり音楽を記録する媒体として、ソニーとフィリップスが共同開発しました。
ちなみに、当時ソニー副社長で音楽家の大賀典雄氏が、ベートーヴェンの第九が1枚に収まったほうが良いと主張したことから、最大収録時間は74分になったという逸話が残っています。
この頃の日本は技術で世界に先行していました。
世界に先駆けていち早く、ソニー、日立、日本コロムビアがCDプレーヤーを発売。
同時に、CBSソニー、EPICソニー、日本コロムビアから、世界初のCDソフトが発売されました。
それが、1982年の10月1日です。
■ニューヨーク52番街
このとき発売されたCDソフトは約50タイトル。
ビリー・ジョエル「ニューヨーク52番街」、ピンク・フロイド「炎」、ジャーニー「エスケイプ」、サイモン&ガーファンクル「明日にかける橋」、ベートーヴェン「運命」など。
その中で最初に生産されたのが、ビリー・ジョエルの「ニューヨーク52番街」です。
そのため、同アルバムは、世界初のCDと言われています。
この「ニューヨーク52番街」(原題:52nd Street)は、ビリー・ジョエルの6枚目となるアルバムです。
レコード盤では1978年にリリースされています。
一聴すると、ジャズのようなテイストの曲が多くあります。
それもそのはず、ジャズ・フュージョン系のミュージシャンを多数起用して制作されました。
この玄人気質の演奏が、ビリーのメロディ・センスと交わって、極上のポップ・アルバムが出来上がりました。
同作は、ビリーにとって初の全米アルバム・チャート1位を獲得。グラミー賞でも最優秀アルバム賞を受賞しました。
■個人的なおススメ
そんなビリー・ジョエルの名盤「ニューヨーク52番街」の中から、個人的なおススメを紹介します。
まずは2曲め「オネスティ」(原題:Honesty)。
言わずと知れた超名曲。一度聴いたら口ずさみたくなる、極上のピアノ・バラードです。
そのメロディはもちろん、ビリーの哀愁漂う歌声も、深い歌詞も、心に染みます。
Honesty is such a lonely word
Everyone is so untrue
Honesty is hardly ever heard
And mostly what I need from you
誠実 なんて虚しい言葉なんだろう
だって 誰もがとても不誠実だから
誠実 ほとんど耳にしたことがないよ
だけど それこそが君に求めたいものなんだ
(ふゆき訳)
続いて3曲め「マイ・ライフ」(原題:My Life)。
シングルカットされて全米3位を獲得した大ヒット・ナンバー。
ビリーのポップ・センスがさく裂、心躍るようなポップ・チューンに仕上がっています。
バック・ボーカルに参加しているのは、シカゴのピーター・セテラとドニー・デイカスです。
そして8曲め「アンティル・ザ・ナイト」(原題:Until the Night)。
アルバム終盤のハイライトを飾るバラード・ナンバー。ハーモニーが本当に美しい…。聴くほどに引き込まれる名曲です。
本国アメリカではシングルカットされませんでしたが、イギリスでシングルカットされてチャート50位を記録しました。
素晴らしい…。世界初のCDに相応しい名盤です。
そのCDも、音楽配信に押され、売り上げが減少。しかも今、アナログレコードの人気が高まっていて、CDを上回る勢いとなっています。時代は変わりますね…。
ただ、メディアの形式に関わらず、名曲・名盤は残ります。「ニューヨーク52番街」は、間違いなく未来に残したい名盤です。
ありがとう、ビリー・ジョエル! ありがとう、ニューヨーク52番街!