こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、ブルース・スプリングスティーン5年ぶりの新作、「ウエスタン・スターズ」です。
■ブルース・スプリングスティーン
ブルース・スプリングスティーン。
言わずと知れた、米ロック界の重鎮。「The Boss」と呼ばれるベテランのシンガーソングライターですね。
1973年、アルバム「アズベリー・パークからの挨拶」をリリースして音楽シーンにデビューします。
はじめは鳴かず飛ばずが続きますが、地道なライブ活動で評価を高めます。
すると、1975年の3rdアルバム「明日なき暴走」が大ヒット。
同名のシングルもヒットして、アルバムはビルボード3位となり、一気にスターダムに上がりました。
そんな彼の超ヒット作と言えば、1984年の7thアルバム「ボーン・イン・ザ・USA」でしょう。
シングルでも大ヒットしたタイトル曲は衝撃的でした。ベトナム戦争を風刺した詩の内容に、ブルースのだみ声…。
1985年のUSA for Africaの「ウィー・アー・ザ・ワールド」にも参加して、そのだみ声を披露。
強烈なインパクトを残しました。
■ウエスタン・スターズ
以降も、ライブ活動とアルバム制作を継続。ほんと元気なんですよね。
昨年末にライブ盤「スプリングスティーン・オン・ブロードウェイ」を出したかと思うと、もう新譜が登場しました。
それが、スタジオ・アルバムとしては19枚目となる「ウエスタン・スターズ」です。
彼って、もうすぐ70歳なんですよね。
とてもそうは思えない、力強い歌声が全編を貫きます。もちろん、だみ声は相変わらずだけど。
彼がインタビューで「ソロ作品への回帰」と答えていた通り、今なお変わらない音楽への情熱がほとばしります。
特に今作は、オーケストラのアレンジが随所に入って、さらに壮大に深い音楽の情景が目の前に広がります。
ローリングストーン誌が「スプリングスティーン史上最も惹きつけられる作品」と評するのも分からなくもない。
その歌声、そのメロディ、その描く時代。まさに、「スプリングスティーン節」全開のアルバムです。
■個人的なおススメ
そんなブルース・スプリングスティーンの新作「ウエスタン・スターズ」から、個人的なおススメです。
まずは3曲め「トゥーソン・トレイン」。
やわらかで壮大なブラスから始まるソング・ストーリー。
トゥーソンはアリゾナ州南部の鉱業都市。そこで働くクレーン操縦士と、列車に乗ってやってくる彼女(奥さん?)。
彼の歌って、登場する人々の姿とその情景が目に浮かぶんですよね。これぞ、スプリングスティーン節ですね。
続いて4曲め「ウエスタン・スターズ」。
これまた、登場人物とアメリカの大地が目に浮かぶスプリングスティーン節。
スライド・ギターの音色がやさしく、そしてオーケストラの音色が雄大に、曲を盛り上げます。
そして11曲め「ゼア・ゴーズ・マイ・ミラクル」。
ストリングスにギター、そして誰もが口ずさみたくなるメロディ。ブルースの「こぶし」も効いています。
ここまで来ると、もうアメリカの演歌ですね。そこに住む人たちの魂の歌。ん?じゃあ、彼はアメリカのサブちゃんか?
ゼーア・ゴーズ・マーイ・ミーラク~ル♪ウォキン・ナウエ~イ♪
これ、しばらく病みつきになるな。「The BOSS」が聴く者一人一人の心に伝えるスプリングスティーン節。Boss健在を示すアルバム。それが「ウエスタン・スターズ」でした。
ありがとう、ブルース・スプリングスティーン! ありがとう、ウエスタン・スターズ!