11/23はブルース・ホーンズビーの誕生日!名曲「ザ・ウェイ・イット・イズ」を聴こう

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こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、11/23はブルース・ホーンズビーの誕生日!名曲「ザ・ウェイ・イット・イズ」を聴こう…です。
「夢中図書館 音楽館」は、ロックの名盤や新譜、個人的な愛聴盤などをレビューする音楽ブログです。あなたのお気に入りの音楽を見つけてください。

■今日は何の日

1日1頁、その日に起きた出来事やミュージシャンの誕生日などが記載されているタワレコ手帳(現在は製造中止…)。
11月23日の頁には、こんな出来事が記されていました。

【誕生日】ブルース・ホーンズビー(1954)

ブルース・ホーンズビー(Bruce Hornsby)。
米バージニア州出身のシンガーソングライター兼ピアニストです。

80年代洋楽好きの方は、ブルース・ホーンズビー&ザ・レインジの活動で知ってるでしょう。
1986年、デビュー・アルバムとなる「ザ・ウェイ・イット・イズ」(The Way It Is)をリリース。


The Way It Is

このアルバムからシングルカットされた表題曲「ザ・ウェイ・イット・イズ」が全米チャート1位を獲得、一躍スターダムにのし上がりました。
同アルバムからは「マンドリン・レイン」などのヒット曲も生まれ、翌年のグラミー賞で最優秀新人賞を受賞しています。

バンドの活躍だけでなく、他アーティストへの楽曲提供も行い、ソングライターとしての才能も発揮します。
彼を見出したヒューイ・ルイスには「ジェイコブズ・ラダー」(Jacob's Ladder)を提供し全米1位に。ドン・ヘンリーのヒット曲「エンド・オブ・イノセンス」もヘンリーと共作しました。


FORE!/ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース

■ザ・ウェイ・イット・イズ

今日は、そんなブルース・ホーンズビーの最大のヒット曲である「ザ・ウェイ・イット・イズ」を取り上げましょう。
ホーンズビーの美しいピアノが印象的な名曲。しかしその美しいメロディとは対照的に、歌詞は深く社会問題をえぐっています。

最初のヴァースでは、貧富の格差…全米を覆う貧困問題を歌詞にしています。

Standing in line, marking time
Waiting for the welfare dime
'Cause they can't buy a job
列をなして 順番を待つ人たち
わずかな生活保護を求めて待ってるんだ
みんな仕事にありつけない人たちだ

The man in the silk suit hurries by
As he catches the poor ladies' eyes
Just for fun, he says "Get a job"
シルクスーツを着た男が急ぎ足で通り過ぎていく
彼は貧しい女性たちの視線に気づくと
面白半分にこう言った "仕事を見つけろよ"

That's just the way it is
Some things will never change
That's just the way it is
Ah, but don't you believe them
どうせそんなもんなんだよ
絶対に変わらないものがあるんだ
いつもこんな風になるのさ
でも君はそんなはずないって言うんだろ?

2番の歌詞では、いまも大きな対立を招いている人種差別の問題を取り上げています。

Said hey, little boy,
you can't go where the others go
'Cause you don't look like they do
男が言った "なあ坊や"
"他のヤツらが行けるとこでもお前は行けない"
"なぜならお前は見た目がヤツらとは違うからだ"

Said hey, old man,
how can you stand to think that way?
Did you really think about it
before you made the rules?
少年は言った "ねえおじさん"
"どうしてそんな風に決めつけるの?"
"そんな決まり事にする前に本気で考えればいいのに"

He said, son
That's just the way it is
Some things will never change
That's just the way it is
Ah, but don't you believe them
男は言った "なお坊や"
"どうせそんなもんなんだよ"
"絶対に変わらないものがあるんだ"
"いつもこんな風になるのさ"
"でもお前はそんなはずないって言うんだろうな"

胸にグサっとくる歌詞ですね…。貧困問題、人種差別問題。さらに最後の歌詞では1964年公民権法の限界について問題提起しています。
おそらくホーンズビーは「The Way It Is」(どうせそんなもんだ)という現状に、強い焦燥と怒りを感じていたのでしょう。

最後の「but don't you believe them」は一見、そうした現状に対する諦めに見えますが…。
本当に彼が訴えたかったのは「そんな風にしちゃいけない」という強いメッセージなのではないか。そう思いました。

■Back to the 80s

それでは、そんなブルース・ホーンズビー&ザ・レインジの名曲「ザ・ウェイ・イット・イズ」を聴きましょう。
Back to the 80s! Bruce Hornsby and the Range "The Way It Is". Here We Go!


すばらしい楽曲ですね。そのメロディ、その演奏、そのメッセージ
惜しむらくは、ここでホーンズビーが訴えた貧困や人種差別などの社会問題が、今なお未解決なまま残っていること…。

ただ、だからこそ今もこれからも、この曲を聴き続けていくことが必要なんでしょうね。
同曲は後に、多くのラップ・アーティストたちにサンプリングされ、形を変えながらも今の時代に歌い継がれています

そんなブルース・ホーンズビーも今日(2023年11月23日)で御年69歳
ザ・レインジとのバンド活動は終了しているものの、その後グレイトフル・デッドに参加したり、ソロ活動したり、今も現役で音楽活動を続けています。

いつまでも元気で音楽活動を続けてください。誕生日おめでとう、ブルース・ホーンズビー

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